チェビ茶房の店主、オ・サンフン  open the window of AOD

2017-02-28

 ソウル麻浦区(マポク)上水洞(サンスドン)にある「チェビ茶房」は、昼間は喫茶店ですが、夕方になるとお酒と音楽が楽しめる空間に変身し、木曜日から日曜日の夕方にはライブ公演が行われます。6つのテーブル、20個足らずのイス、3、4人しかのぼれないステージなどこじんまりとした空間ですが、公演のある日は2、3時間前から入口に長い列ができます。ミュージシャンと観客の距離はわずか1メートル。観客はそれこそ生の音楽と歌を楽しむことができます。

昼と夜で違った顔を持った「チェビ茶房」。昼間は「ツバメ喫茶店」という意味の「チェビ茶房」は、日が暮れると店の看板を「酔ったツバメ」という意味の「チハンチェビ」に変え、変身するのです。ユニークなカフェ「チェビ茶房」を経営しているのは今年39歳になるオ・サンフンさんです。大学の建築学科教授でもあるオ・サンフンさんは音楽と映画、美術と文学が好きで、他人の目を気にしないで遊べる公園のような大人のための文化空間を作りたいと思いました。大学で産業デザインを専攻した弟と意気投合したオ・サンフンさんは、さまざまなジャンルのアーティストといっしょに作業し、文化について語り合い、思い切り遊べる空間を作ることにします。



2005年9月、「文化地形研究所CTR」がオープンしました。「CTR」は、シナリオ作家や音楽家、美術家、映画関係者など、さまざまなジャンルのアーティストが集まり、芸術や文化について語り合うサロンのようでした。「レモン・サロン」と呼ばれた「CTR」の居間は単なる遊びの場ではなく、小さな展示会を開いたり、テーマに合わせてセミナーを催したりしました。アーティストたちは遊びの中で作業過程を共有し、その結果として誕生した作品を「レモン・サロン」に展示したのです。また、創作過程や作品が完成するまでの裏話を記録に残すため、年に4回、「ワンピース・マガジン」を発行しました。「ワンピース」というネーミングには、雑誌のどのページを破って額縁に入れても、一つの作品になるという意味が込められています。250ページから300ページの「ワンピース・マガジン」は独立性を重視し、広告をなくしました。そのため、経済的な問題で現在は発行が一時中断されていますが、今もその復活を試みています。

2011年、オ・サンフンさんは麻浦区(マポク)上水洞(サンスドン)の建物を買い取り、「文化地形研究所CTR」を移転するため大々的な改築工事に取り掛かります。小さな空間をフルに活用し、公演舞台と客席のあるカフェも作ってみようと思い立ちました。2012年4月、春の訪れを告げるツバメのようにツバメ喫茶店「チェビ茶房」がオープンしました。チェビ茶房は、ミュージシャンは情熱的な舞台を披露し、観客は思い切り公演を楽しみ、楽しんだ分だけその費用を支払うシステムで経営することにしました。無料入場、有料退場システムです。

2015年からは年に1度、「チェビ茶房」で公演したバンドの音楽を編集したコンピレーションアルバムも制作されています。アルバム作業を円滑にするため、建物の2階に録音室を設けました。ちなみに、建物の3階にはオ・サンフンさんの建築スタジオがあります。また、最近、「チェビ茶房」の隣に会議室も作られました。会議室のテーブルには滑車が設置されていて、滑車を使ってテーブルを上に持ちあげると、広い空間になり、この空間は実力はあるけれど、それを評価される機会のない美術家のためのギャラリーとして使われる予定です。

大人のための文化の公園「文化地形研究所CTR」と「チェビ茶房」を維持していくため、オ・サンフンさんは建築学教授として、誰よりも熱心に学生を教え、建築設計をしています。経済的な問題でこの魅力的な空間をあきらめたくないからです。オ・サンフンさんは、アーティストたちが生計を心配することなく自分だけの映画や音楽を造り、のびのびと絵や本などの作品を完成させることができる空間を作りたいと願っているのです。

  • Top
  • Print
  • Twitter
  • Facebook
prev  prev  1 2 3 4 5 6 7 next