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北韓のミサイル開発
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北韓は1969年ごろ、旧ソ連から射程距離60キロの地対地ミサイルFROGを導入し、ミサイルの開発に着手した。しかし、本格的なミサイル開発は、1976年ごろに始まったと推定されている。1973年の第4次中東戦争で北韓はエジプトを支援し、その代価として旧ソ連製のスカッドB型ミサイルと発射台を導入し、これを逆設計する方法で本格的にミサイルの開発をスタートさせた。そのため北韓のミサイルはこのスカッドミサイルを土台としており、射程距離を伸ばしたスカッドC型ミサイル、中距離弾道ミサイル「ノドン」、多段階ロケット推進方式の中距離弾道ミサイル「テポドン」などを相次いで開発した。

これで北韓は2000年代に入ってアメリカ本土を射程内に収める長距離弾道ミサイルを保有したものと推定された。

2012年4月、北韓は人工衛星「光明星3号」を地球の軌道に載せるためとして長距離ロケット「銀河3号」に乗せて打ち上げたが失敗に終わり、12月の打ち上げで成功した。これで北韓は大陸間弾道ミサイル技術を完成させたものとみられる。
 
北韓のミサイル開発日誌<資料:韓国の2006国防白書>
1970年代初め
  中国のミサイル開発計画に参加してミサイル技術を習得。(推定)
1976-81
  ソ連製スカッドB型ミサイルと発射台をエジプトから導入し、逆設計する方法でミサイル開発。
1984.4
  スカッドB型ミサイル試験発射。
1986.5 
  スカッドC型ミサイル試験発射。
1988
  スカッドB型、C型ミサイル作戦配置。
1990.5 
  「ノドン」試験発射。
1991.6
  スカッドC型ミサイル発射。
1993.5
  「ノドン」ミサイル試験発射。
1994.1
  「テポドン1号」の存在を確認
1998
  「ノドン」作戦配置。
1998.8
  「テポドン1号」試験発射。(北韓は人工衛星を打ち上げたと主張)
2006.7
  「テポドン2号」試験発射。ノドン、スカッドも発射。
2012
  04.13
長距離ロケット「銀河3号」打ち上げ、軌道進入に失敗 (北韓は「銀河3号」について、打ち上げを前に外国記者団に公開。大陸間弾道ミサイルの試験発射という国際社会からの非難を免れるう狙いがあったとみられる)
12.12
北韓、「銀河3号」ロケット発射に成功
 
ミサイルの性能は射程距離と正確度の二つから判別できる。射程距離はどれだけ遠くまで飛ばせるかを意味するが、ミサイルの性能はこの射程距離が重視される。正確度はどれだけ目標物に正確に到達できるかを意味する。

しかし北韓のミサイルを語るとき、正確度は大きな意味がない。北韓のミサイルが日本やアメリカ本土のどこかを攻撃できるということだけでも脅威だからだ。正確度が高くなければ、被害は大きくない可能性が高いが、ミサイルが大都市に落ちる可能性は排除できないので、周辺国としては十分に脅威となる。

時間が経てば、北韓はさらに射程距離を伸ばし、正確度も高めるはずだ。もし核弾頭を搭載すれば、その被害は広い範囲に及ぶので、正確度は重要ではない。もう一つ憂慮されるのは北韓がミサイルを輸出していることだ。
 
北韓のミサイル
区分
射程距離(км)
弾頭重量(kg)
備考
スカッドB 300 800 作戦配置
スカッドC 500 600 作戦配置
ノドン 1300 500 作戦配置
テポドン1号 2500 500 試験発射
テポドン2号 6700≥ 650-1000 開発中
<資料:韓国の国防白書2006>