
韓国ではバスや電車にコーヒーなどの飲み物を持って乗る人が少なくありません。
夏や冬場に特に多いですが、これが問題となっています。特にバスでは、揺れる車内で飲み物をこぼし、他の乗客の服を濡らしたり、ひどいときにはやけどをさせることもあります。
バス業界では、一日3万人の乗客が、飲み物を持って乗車するものと推定しています。ソウルで市内バス(路線バス)は一日6900台あまり運行されていますから、そうなると一台に4、5人が、飲み物を持って乗っていることになります。
「市内バス運送事業約款」によりますと、「不潔・悪臭など乗客に被害を与える物品」については、ドライバーは運送を拒否することができる、となっています。ところが、これに飲み物が該当するかどうかは解釈が異なるところです。このように、明確に規定されていないため、バスごとに対応が異なっているのが実情です。飲み物を持った乗客が、バス会社やソウル市に対して、「乗車を拒否された」と苦情を届け出ることもあります。また、コーヒーをこぼしてほかの乗客の服を濡らしておきながらそのまま降りてしまい、バスの運転手さんが代わりに洗濯代を払ったということもあったということです。
このことに関連して、ソウル市は今月中旬から、ソウル市のすべての市内バスで、車内放送を実施することにしています。「他の乗客の迷惑になるので、コーヒーなど飲み物を持って乗らないでください」という内容です。また、大邱(テグ)市では、テイクアウトカップなど蓋がきちんと閉まらない飲み物を持った乗客のバスへの乗車を禁止しています。大邱市のすべての市内バスには、2015年から、飲み物の持ち込み禁止を意味するステッカーが貼ってあるということです。大邱市の関係者は、「こぼれたアイスコーヒーと氷で乗客が滑ってけがをするなどの事故が絶えないことから、こうした措置を取った」と話しています。