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「千字文をリズムに合わせて解釈した歌」ほか

#国楽の世界へ l 2018-08-01

国楽の世界へ


最近は、特別な場合でなければ声を出して本を読むことはあまりありません。でも、昔は本を読むというのは、大きな声で読むことを当然だと思いました。しばらく読んでいると、自ずとリズムも加わり、歌のように聞こえます。韓国では、子供の頃、千字文を歌って遊んだ方も多いかと思います。教科書のような「千字文」が、「パンソリ、春香(チュンヒャン)の歌」では違う風に歌われることもあります。春香の歌には、イ・モンリョンが美しい春香を見て、一目ぼれする場面があります。イ・モンリョンは、その日の夜、春香の家を訪ねることにして家に戻ってきます。でも、春香の顔が浮かんで、なかなか本を読む気にはなれません。それで、子供の頃学んだ千字文を、自分の好きな風に作り変えてみました。千字文の意味はなくなってしまい、春香と遊びたいという内容に変わってしまったのです。今日は、まず、この場面をお楽しみいただきます。ソン・ウヒャンさんの歌で、「春香の歌の中から、千字文をリズムに合わせて解釈した歌、춘향가 중 천자뒤풀이」という曲をお楽しみください。


イ・モンリョンは、千字文の文字ひとつひとつを解釈して、春香を想う気持ちを表しました。もともとの千字文とは違う意味になってしまったものの、すぐに解釈ができるということは、それだけ文字とその意味をよく分かっていたのでしょう。イ・モンリョンが若い頃に科挙に合格したのも、それだけ実力があったからだと推測できる場面でもあります。千字文だけでなく、心がこもった詩を歌にすることもありました。詩にリズムを付けて歌うのを、詩唱(シチャン)といいます。今度は、「詩唱、關山戎馬(クァンサンユンマ)」という曲をご紹介いたします。この曲は、朝鮮時代の学者、シン・グァンスというソンビが、科挙の試験で提出して合格者のトップ2に入った作品だそうです。当時、平壌(ピョンヤン)の妓生がよく歌った曲だといわれます。それでは、この曲を、キム・ウォルハさんの歌でお楽しみください。


今度は、小説を歌にした曲です。面白い小説を歌で歌うことを、「誦書(ソンソ)」といいます。中でも、「三説記(サムソルギ)」というものがよく知られています。三人のソンビが、冥界の王、閻魔大王のミスで地獄に落ちてしまうお話です。自分がミスをしたことを認めた閻魔大王は、三人のソンビに、好きなふうに生まれ変わるようにしてあげると約束します。すると、一人は英雄、一人は科挙に合格して高官になりたいと言いました。しかし、最後の人は、素朴に生きたいと言います。良い家柄で生まれ、正しい教育を受け、親孝行をし、子孫も栄え、病気をせず長生きしたいとのことです。このお話を歌にした曲をお楽しみいただきます。イ・ムンウォンさんの歌で、「誦書、三説記」という曲をお楽しみください。三人目のソンビのお話は素朴な暮らしなのでしょうか。閻魔大王は激しく怒り、そんなことが可能であれば、自分も閻魔大王を止めてそのように暮らしたいと言ったそうです。平凡に暮らすというのは、簡単ではないことを教えてくれる物語りです。

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