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現役引退後は海外ボランティア

#マル秘社会面 l 2018-08-01

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

火曜日の玄界灘でシオリさんが「冬季オリンピック」の会場でボランティアをしていた中年の女性たちの笑顔が忘れられないと話していました。女性だけではありません、そして国内だけではなく海外にボランティアに行く韓国人が増えています。それも現役を引退した50代以上、シルバー世代です。

KOICA(韓国国際協力団)によれば去年、KOICA海外奉仕団団員の中で50代以上のシニアは全体の30.5%を占めていました。シニア団員を初めて募集した2004年にはわずか26人、3.6%に過ぎなかったことを考えればどれほど増えたかがわかります。そんな一人、イ・ハングクさん、67歳です。

「私はミヤンマの大学で学生たちに自動車整備を教えています。2016年に KOICAの奉仕団としてやってきて2年目になります。1週間に3時間づつ5週間にわたってエンジンの分解と組立の過程を見せています。ミヤンマはまだ自動車整備の経験のある人材が少ないので、私の経験が役に立っています。学生たちが整備所に就職したという話を聞くのが一番うれしいです」

イさんは54歳になった2005年からこれまでにラオス、スリランカ、ミヤンマの3カ国で10年間もボランティア活動をしてきました。最初は反対していた妻のユンスクさんも今では一緒にミヤンマで韓国料理を教えるボランティアをしています。

シルバー世代が海外奉仕に目を向けるのは人助けに生きがいを感じているだけではありません。国内では引退する年齢でも海外では十分に現役だからです。さらに海外で味わう異国的な生活も理由の一つです。KOICAでは団員には活動費と住居費および医療保険などが提供されます。韓国の基準では大きな金額ではありませんが、物価も安く特別にお金を使うところもないこともあり十分だという声が聞こえます。毎月一定額が韓国の口座に入金されるので1,2年奉仕活動をして帰国すればまとまった金額も手にはいります。

KOICAは「ワールドフレンズ・コリア」という名前で海外奉仕事業を行っており、現在、コンピュータ、自動車整備、農業、パン作り、料理、韓国語教育など33の職種で22カ国に団員を派遣しています。 

また一般のボランティア以外に引退前後の専門家で構成されたワールドフレンズ専門団も運営しています。現在120人ほどが選抜され派遣国の政策方向に対するアドバイスをしています。これについて関係者は

「退職した公務員の間で人気が高く競争率も高くなっています」

と言っています。KOICAの団員として経験した海外奉仕の体験にアイデアを結びつけ斬新な社会的事業をはじめた人たちもいます。

インドネシアで4年間美容技術を教えてきたジョン・オクジュさんは帰国後、外国結婚などを理由に移住してきた女性たちに美容技術を教える会社を立ち上げました。

このように今や韓国は海外奉仕分野では世界最高水準に達しています。派遣規模面ではアメリカにつづき世界第2位です。2016年基準でKOICA以外の他のNGOや他の宗教団体まであわせたボランティア数は6320人でした。1位のアメリカの6910人に比べてもあまり差は無く、3位の日本の2500人との間には大きな差があります。一方で問題もあります。関係者は

「一番大きな問題は海外奉仕に対する若者たちの熱意がだんだん薄れていることです。海外旅行が今のように自由でなく、費用も高かった90年代には異国的な生活に魅力を感じて志願する若者も少なくありませんでした。就職も今のように厳しくなく、海外奉仕活動をしてきてもそれが就職に障るとは考えませんでした。しかし現在は、就職が難しいので何としても国内にいてチャンスを掴まなくてはという切迫した考えを若者たちが抱いているようです」

また海外奉仕に関する認識の違いもあるといいます。派遣を求める開発途上国ではコンピュータ、自動車整備、建築などの実務的な技術者を求めていますが、国内の志願者は未だに海外奉仕というと井戸を掘ったり、農業の手助けをするような身体を使う奉仕を考えているとのことです。

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