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具孝書(ク・ヒョソ)の短編小説「明斗(ミョンドゥ)」

2018-10-02


#インタビュー:小説「明斗(ミョンドゥ)」の作者、具孝書(ク・ヒョソ)さん

私は子どもの頃から胃が良くなく、近所の住んでいた年老いた巫女に連れていかれました。その巫女は私の髪の毛や爪など、いろいろなものを入れて煮込み、その汁を私に飲ませました。そんな経験から、私は巫女に対する抵抗感や恐れを持っていました。年老いた巫女の顔、その目、呪文のようなその言葉が今も頭の中に生々しく残っています。



小説「明斗(ミョンドゥ)」の主人公は「明斗(ミョンドゥ)さん」と呼ばれる女性で、語り手となっているのは、20年前に死んだ大きなアベマキの木です。このアベマキの木は生きて150年、死んで20年間、村を守っています。



「明斗(ミョンドゥ)さん」は私の根元に3人の子を葬った。

3人とも生後10日も経たない赤子だった。

最初の子の屍は南の方に伸びた根の下に、

残りの2人の赤子はそれぞれ北と東の方の根の下に葬られた。


명두집은 내 밑동에다 세 아이를 묻었다

모두 생후 열흘도 채 안된 아이들이었다.

첫 아이의 시신은 남쪽으로 난 뿌리 밑에,

나머지 두 아이는 각각 북쪽과 동쪽 뿌리 아래 묻혔다.



その後、「明斗(ミョンドゥ)さん」は以前とは全く違う人になります。

顔付きが変わり、

困った人たちや病に苦しむ人たちを助け始めました。



#インタビュー :小説「明斗(ミョンドゥ)」の作者、具孝書(ク・ヒョソ)さん

村人たちは「不忘」という言葉の意味が分からず、呪文のようなものと思いました。「不忘」とは忘れるべからず、死を忘れるなという意味です。死を考えることで悔いのない生き方、意味のある人生を考えることができるというわけです。小説「明斗(ミョンドゥ)」の主人公もそんな意味を込めて「不忘!」と叫んでいるのです。



「死にたくなければ死を恐れてはならぬ。

死を恐れるから、心の病に侵されてしまうのだ。

お前が死ぬ瞬間、お前の子も本当に死んでしまうということを忘れるな。


死が人を生かす条理を知らなければならない。

死んだ子がお前を生かしたように

お前が生きてこそその子の死が無駄にならないのだ。

忘れるな。

不忘!」


죽지 않으려면 죽는 걸 겁내선 안 돼.

죽는 걸 겁내니까 지랄 염병 속병이 생기지.

니가 죽는 순간 애도 진짜로 죽어버린다는 걸 알아야 돼.


죽음이 사람을 살리는 이치를 알아야 해.

죽은 애들이 너를 살렸듯이

니가 살아야 걔들 죽음이 헛되지 않게 되는 거잖아.

잊지 말라니까. 

불망!“




作家:具孝書(ク・ヒョソ)(1958.9.25. 仁川生まれ) 

1987年 中央日報新春文芸に発表した小説「節」を通じて文壇にデビュー

2005年 短編小説「明斗(ミョンドゥ)」を発表、翌年、「黃順元文学賞」を受賞

2014年 第45回「東仁文学賞」などを受賞

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