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「ウサギのお話」ほか

#国楽の世界へ l 2018-10-31

国楽の世界へ


19世紀末から20世紀はじめ、韓国の伝統芸能パンソリは、宮中から一般の民に至るまで親しまれました。そして、民族の器楽独奏曲、散調(サンジョ)というジャンルができた頃、アメリカ南部のニューオーリンズ地域、アフリカ系のアメリカ人の間でも独特な音楽ができました。ラグタイムというこの音楽は、1910年代になると、ジャズという名になります。ジャズがどんな音楽なのか、一言で定義するのは難しいですが、演奏する者の表現力を重視する、自由な音楽であることは確かです。そのような点で、韓国の民族音楽とも似た面が多いと言われます。実際、国楽とジャズを組み合わせた多様な音楽があるんです。その始まりは、韓国の伝統楽器で民族音楽を演奏するキム・ドクスさんの「サムルノリペ」といグループと、ジャズグループの「レッドサン」の出会いからです。「サムルノリ」が世界的に人気だった1980年代末、このふたつのグループは、ドイツのあるフェスティバルで初めて出会いました。その場で即興的に音楽を共に演奏したふたつのグループは、その後も国楽風の音楽をたくさん作りました。今日の最初は、その中で、アン・スクソン先生と、「レッドサン」のボーカル、リンダ・シャーロックの歌、キム・ドクスさんの太鼓で、パンソリ、水宮歌(スグンガ)の中の「ウサギのお話、토끼이야기」という曲をお楽しみください。


日本の植民地支配から独立した後、韓国には西洋の文化がたくさん入ってきました。韓国の伝統音楽は、古いものだと思われる時期もあったようです。そんな中でも、新しい突破口を作り出すための努力は、絶えず行われてきました。そのひとつに、農村の音楽、農楽を背景に新しい舞台の様式を作り出した、「サムルノリ」があります。「サムルノリ」がジャズグループ「レッドサン」と出会い、もう一度新しい風を巻き起こしたのです。その後を継いだジャズのグループは、「サルタチェロ」です。飛躍するという意味と、人間の声と最もよく似ているという楽器チェロが結合したグループ名です。ドイツのジャズグループ、「サルタチェロ」は、1990年代末、韓国の公演のために、韓国の民謡や歌謡曲を基にした音楽を作りました。特に、ドイツのミュンヘンオリンピックのマラソンの金メダリスト、ソン・キジョン選手を称えるレコードも出しました。今日は、サルタチェロの、「江原道(カンウォンド)アリラン」という曲をお楽しみください。


今度は、韓国のジャズグループ、「プレリュード」の音楽です。「プレリュード」は、2003年、バークリー音楽大学の在学生が結成したチームです。ピアノ、ベース、テナーサクソフォーン、ドラムで構成されます。国楽の歌い手と共に、民謡とジャズのレコードを出しました。それを機に、国楽のファンにも名を知らせたようです。今日の最後は、イ・ヒムンさんの歌とプレリュードの演奏で、愛を歌う民謡、「ナンボンガ」という曲をお楽しみください。今日ご紹介したような国楽とジャズの組み合わせについては、ふたつの評価があります。若者も親しみやすいという前向きな評価もある反面、伝統を壊すことだとの否定的な評価もあります。時代が変わり、音楽も変わり、人々が国楽に関心を持っていることには間違いなさそうです。

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