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「上霊山」ほか

#国楽の世界へ l 2018-12-05

国楽の世界へ


伝統的な楽器ヘグムは、二つの弦を弓で擦って演奏する擦弦楽器です。記録によりますと、昔はホームレスが物乞いをするときに演奏したそうです。上品なイメージの楽器ではなかったようです。その時代、宮中の楽師、ユ・ウチュンというヘグムの演奏者がいました。学者ソンビも、彼の演奏を聴くために順番待ちをするほどだったそうです。ある日、あるソンビが彼に質問をしました。自分がヘグムを演奏すると、ホームレスのようだと馬鹿にされるのだが、どうすれば良いだろうかということです。すると彼は答えました。自分が初めてヘグムを習い始めたとき、指が全部だめになるほど練習をしたけれど、給料は増えず、人気を得ることもできなかった。でも、ホームレスの演奏は、人気者でなくてもたくさんの人が楽しんでくれて、稼ぎも良いということです。音楽は人が聴いてくれることが大事で、どんなにレベルの高い音楽だとしても、聴く人がいなければ意味がないということが言いたかったのでしょう。昔も今も、アーティストは同じ悩みを抱えているようです。今日の最初は、風流音楽、組曲、霊山会相(ヨンサンフェサン)の中の、「上霊山(サンリョンサン)」という曲を、ヤン・キョンスクさんのヘグムの演奏でお楽しみください。


ユ・ウチュンは、国中の人が自分の演奏を知っているのは、自分の名前を聞いて分かるのだと言っています。演奏を聴いて、ユ・ウチュンの演奏だと分かる人は果たして何人いるだろうかと、知ったかぶりをするソンビをあざ笑いました。当時のホームレスがヘグムを持ち歩いたことには、楽器が小さく軽かったからという理由があったのでしょう。でも、それだけではなく、他の楽器と比べ多彩な表現が可能だということも影響したと思います。ヘグムは、左手で弦を押さえ、右手では馬の尻尾で作った弓で弦を擦って音を出します。弦を押さえる位置や指の力の強弱で音程を調節できます。力を調節して様々な音を表現できる楽器です。荒っぽい音色ですが、それがまたヘグムの魅力といえます。今度は、散調(サンジョ)という独奏曲、「ヘグム散調の中のチュンチュンモリ」という拍子をご紹介いたします。イ・ドンフンさんのヘグムと、キム・チョンマンさんのチャングの演奏でお楽しみください。


ヘグムは、弓で弦を擦って音を出すので、西洋のバイオリンやビオラのような楽器と似ています。弦楽器であることは確かですが、弦を弾いて音を出すので、笛のような音にも聞こえます。管楽器と弦楽器の間で調和を成す楽器なんです。最近は、ヘグムが独奏曲を演奏する楽器としても親しまれています。今日の最後は、ヤン・ジュンホさんが作曲した、空っぽという意味の「空(ゴン)」という曲を、チョン・スニョンさんのヘグムの演奏でお楽しみください。ヘグムが独奏曲を演奏する楽器として親しまれていることには、ただいまの曲を演奏したチョン・スニョンさんの影響が大きいといえます。荒っぽく、かん高い音色の代わりに、柔らかく哀切な音色で演奏するため、人々の心に感動を与えるようです。

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