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「半月」ほか

#国楽の世界へ l 2019-01-30

国楽の世界へ


韓国では、一年に二度、お正月を向かえます。陽暦の1月1日、それから、旧暦の1月1日です。新年の計画を改めて見直すことのできる機会です。この時期になると思い出す歌があります。「カササギのお正月は昨日で、私たちのお正月は今日だ」という歌詞の歌です。韓国ではお正月の定番のような歌です。この歌を聴くと、色んな思い出が浮かびます。今年はお年玉をいくらもらえるだろうか、そのお金で何をしようかなどとウキウキしていた子供の頃を思い出します。その頃の様子や友達の笑い声、冬の寒さなどが浮かびます。お正月に故郷に帰れない場合は、少し寂しい気持ちになるかも知れません。子供の頃歌った童謡と共に、暖かい記憶を思い出してみるのも良さそうです。今日は、まず、擦弦楽器ヘグムの演奏をお楽しみいただきます。シンナルセの演奏で、「半月、반달」という曲です。


思い出の童謡のひとつに、「青い空の天の川」とはじまる歌があります。この曲を作ったのは、ユン・グクヨン先生です。幼い頃この世を去った姉を思い、1924年に作った歌だそうです。先生の歌の歌詞は、当時の韓国の子供たちに勇気と希望を吹き入れました。この歌は、韓国だけでなく日本など海外にも伝わり、日本の放送局でもよく聴くことができたそうです。そのことを知った先生は、日本の放送局を訪ね、使用料を受け取って生活をしたというお話も伝わります。当時、韓国には子供のための歌がなかったので、子供たちは日本の歌を聴いて歌っていたそうです。そのため、先生は、きれいな歌詞の韓国の童謡を作ったのです。多くの人々に様々な思い出となる歌なんです。今度は、詩人、キム・ソウォルさんの作品を歌にした曲の演奏をお楽しみいただきます。「お母さん、お姉さん、엄마야 누나야」という曲を、ヨウビョルのカヤグムの演奏でお楽しみください。


「お母さん、お姉さん」という曲は、KBSの楽団長を歴任したキム・クァンスさんという方が作曲しました。でも、それより前に、作曲家アン・ソンヒョンさんが詩にリズムを付けたそうです。アン・ソンヒョンさんが作曲した曲は、やや重い感じのものでした。1960年代までは広く歌われたそうです。ところが、韓国戦争のときアン・ソンヒョンさんが北韓に行ってから、あまり歌われることがなくなったのです。アン・ソンヒョンさんの父は、カヤグム散調(サンジョ)という演奏法で知られるアン・キオク先生です。この二人は、北韓で韓国の音楽を広く知らせた方として評されています。今日の最後の曲も思い出の童謡です。韓国では、「アリラン」に劣らず親しまれている、「故郷の春、고향의 봄」という曲です。この曲を、キム・ゲヒさんのセンファンの演奏でお楽しみください。「私の故郷は、花が咲く山の中」と始まるこの曲は、イ・ウォンス先生が1926年に発表した詩を元にしています。当時、先生は15歳でした。この詩に、ホン・ナンパさんがリズムを付けたのが、今でも多くの人々に親しまれている、「故郷の春」という曲なんです。

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