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「ヨンピョンドのナンボンガ」ほか

#国楽の世界へ l 2019-02-06

国楽の世界へ


普段は普通に生活しても、節句になると寂しい気持ちになる方々がいます。家族が北韓にいる方や北韓から脱北した方です。1988年から昨年まで、離散家族の再会を申し込んだのは、合わせて13万人ほどでした。現在生きている方は約5万人ほどだそうです。北韓にいる家族が生きているか、確認だけでもしたいという方もいます。色んな理由で申し込むことすらできない方もいるでしょう。家族みんなで韓国に来たものの、子供の頃の故郷が恋しいという方もいらっしゃるはずです。旧正月を向かえ、今日は北韓の楽しい音楽をご紹介いたします。最初の曲は、「ヨンピョンドのナンボンガ」という民謡です。ヨンピョンドという地域は、韓国のインチョン市オンジン郡にありますが、インチョンの港から145キロも離れています。快速線でも2時間ほどかかります。でも、北韓のブポリというところからはわずか10キロしか離れていません。そのため、「ヨンピョンドのナンボンガ」は、黄海道(ファンヘド)と平安道(ピョンアンド)地方の民謡を総称する西道(ソド)の民謡に含まれます。さびの歌詞から「ナナニタリョン」とも呼ばれます。この曲を、アリスの歌でお楽しみください。


ヨンピョンドは今はワタリガニが有名ですが、以前はイシモチがたくさん獲れたそうです。イシモチは卵を産むために、南の海から韓国の西海岸に上がってきます。その時期になると、イシモチの泣き声がたくさん聞こえたそうです。イシモチは、二十四節気の立夏の頃になると、ヨンピョンドに到着します。この時期は卵が大きく、一番おいしいときです。良いお魚がたくさん獲れるからなのか、「ヨンピョンドのナンボンガ」は、歌詞もユーモアでリズムも楽しいです。今度は平安南道(ピョンアンナムド)ヨンガンという地方で歌われたゆっくりのアリラン、「リョンガンギナリ」という曲です。ヨンガンは、ピョンヤンの南西部に位置し、西海岸にあります。歌が発達していて、西道の歌い手もこの地域で活動することが多かったようです。田植えの時期になると、仕事をしながら色んな歌を歌ったそうです。中でもこの曲は、前半は長く伸ばすリズムで、後半は楽しいリズムで歌います。今日は、この曲を、チャンセナプという楽器でお楽しみいただきます。チャンセナプは、北韓で金属性の笛テピョンソという楽器を改良したものです。テピョンソはセナプと呼ばれることもあり、チャンセナプは長いセナプという意味です。テピョンソと比べて柔らかい音色が特徴です。チェ・ヨンドクさんのチャンセナプの演奏で、「リョンガンギナリ」という曲をお楽しみください。


今度は、「ナンボンガ」のお話です。「ナンボンガ」は、西道の民謡を代表する曲で、種類も多様です。ゆっくりで長いナンボンガもありますし、地域によって色んな歌詞や種類があります。昔の歌詞に「ナンボン」という名の人物が登場したことから、「ナンボンガ」と名づけられました。さびの部分では、「私の愛よ」という内容もあり、「愛のタリョン、サランタリョン」とも呼ばれます。今日の最後は、楽団グァンチルの歌と演奏で「ナンボンガ」という曲をお楽しみください。楽団グァンチルは、植民地解放70周年を迎えた2015年にできました。西道の音楽を深く理解し、独特な見方で再解釈したことで注目を浴びています。いつか西道の歌を北韓でも公演できる日が来ることを願います。

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