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国立科学捜査研究院の違法薬物捜査

#マル秘社会面 l 2019-05-08

玄海灘に立つ虹

© National Forensic Service

男性グループ、JYJのユチョンをはじめとする芸能人の覚せい剤使用が問題となっています。ユチョンの他にも外国人タレントのロバート・ハリー、そして有名財閥の3世などの名前があがっています。このような違法薬物捜査の最前線にあるのが 国立科学捜査研究院です。

国立科学捜査研究院に持ち込まれる検査以来の件数は去年3月1368件だったのが、今年3月には2403件に増えました。違法薬物の関連チームはほとんど連日夜勤の状態です。 キム・ウンミ課長は、この30年間国立科学捜査研究院で薬物と違法薬物の鑑定分析業務を行ってきました。そのインタビュー記事が朝鮮日報にのっていましたので、ご紹介します。

- JYJのユチョンは警察に出頭する前に除毛と染色などで覚せい剤の使用をごまかそうとしたようですが、どのようにして覚せい剤の使用を確認したのですか?

「足や腕など全身の60箇所から体毛を摂取し、覚せい剤成分をみつけました。毛根には覚せい剤成分が数日だけとどまりますが、以後は毛髪の中に沈着されて一月に1cm程度育つ毛髪の成長速度に従い覚せい剤成分もだんだんと上がっていきます。なので髪の毛を短く切ったり、除毛をすると痕跡を見つけるのが難しくなります。しかし体毛に関してはずいぶん前に投薬した覚せい剤成分も残っています。ですから検査を逃れるのは事実上不可能だと言えます」

-検査時間がなぜこんなに長くかかるのですか

「検査のための処理過程は複雑です。違法薬物の原成分だけではなく、体内に代謝された成分も探さなくてはなりません。どんな成分の違法薬物が使われたのか分からないので、30種類の試薬で順に検査をしていきます。ユチョンの事件は社会的な関心を集めていた事件だったので、すぐに検査をしました」

国立科学捜査研究院では去年違法薬物担当の15人の研究員が1万8千件の検査をしたといいます。

-最近は新種の違法薬物が密輸入されているケースが増えています。これをどうつかまえますか?

「海外の組織は当局の検査を免れようと新しい科学構造の違法薬物を作っています。各国の科学捜査院は常にこれらの犯罪組織と戦っています。検査は流通している標準サンプルで検出方法を見つけます。変形された成分が体内でどのように代謝されるかを実験して検査法を作らなけれればなりません。しかしそのための技術や分析方法を開発するのには時間と労力がかかりますが、残念ながら予算も労力も不足しています。担当官庁の食品医薬品安全庁が指定登録している違法薬物190種類のなかで現在は10%しか検査できないというのが実情です」

-外国では飲酒運転の取締りのように、唾液で検査をするといいますが

「違法薬物を投与して幻覚状態で運転をするケースがあります。飲酒運転と同じくらいに危険です。それで外国では妊娠検査薬のように唾液で確認する検査も活用しています。韓国では今は違法薬物の捜査現場でだけ使っています。韓国でもおかしな運転をしている人がいて、飲酒運転の検査をしても陰性なら、違法薬物の検査もすべきだと思います」

今回逮捕されてユチョンは警察へ出頭する前に記者会見まで開いて無実を主張していましたが、結果は黒でした。キム・ウンミ課長をはじめとする国立科学捜査研究院の実力を甘く見ていたのでしょう。

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