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金剛山観光

2019-10-26

ニュース

ⓒ YONHAP News

南北協力事業の一環として韓国側が北韓東部の金剛山(クムガンサン)観光地区に建設した施設をめぐり、北韓側が撤去に向けた協議を韓国政府に求める通知文を送ってきました。

北韓のメディアは23日、金正恩国務委員長がこのほど、南北経済協力事業の象徴である景勝地の金剛山観光地区を視察し、韓国側が建設した施設をすべて撤去するよう指示しと伝えました。

朝鮮中央通信などによりますと、金正恩委員長は韓国側が建設したホテルや食堂などの観光施設について、「被災地に突貫で作られたテントのようだ。見るだけでも気分が悪くなる」と語り、撤去するよう指示したということです。

また、「国力が弱いときに他人に依存しようとした前任者らの政策は誤っていた」と批判したということです。

韓国側に依存した観光事業を推進した父の故金正日国防委員長の業績を否定したとも取れる異例の発言です。

金正恩委員長は、「金剛山の美しい景観にふさわしい新たな施設を建設すべきだ」と強調したということです。

南北経済協力事業の象徴である金剛山観光事業は1998年11月に始まりました。

現代グループの創業者、故鄭周永(チョン・ジュヨン)氏が北韓を訪問、故金正日国防委員長との間で合意し、実現したものです。

当初は韓国側から出航する観光船による観光で、観光客はこの観光船で宿泊、食事をしましたが、その後、金剛山観光地区に韓国側がホテルや食堂などの施設を建設しました。

2003年には軍事境界線を越えて陸路で往復できる観光が始まり、2005年には累積観光客数が100万人を超え、これを記念して金剛山観光地区から韓国の公共放送KBSの番組「開かれた音楽会」が中継されたりもしました。

2006年には韓国の農協銀行の金剛山支店が設置され、2008年からは自家用車による観光も可能になり、ゴルフ場も建設されました。

それなりに順調に進んでいた観光事業は、2008年7月に韓国人観光客が北韓兵士の銃撃で死亡する事件が発生、観光客の安全に関する懸念が浮上し、中断されました。

北韓側は観光客の安全に関する具体的な対策を示さず、その後、核問題が表面化したこともあって、中断されたままとなっています。

金正恩委員長が韓国側が建設した施設を撤去するよう指示したのは、韓国へ揺さぶりをかける狙いがあるとみられます。

金剛山観光事業は北韓にとって重要な外貨獲得源でした。

昨年9月の南北首脳会談での平壌共同宣言では、金剛山観光および開城工業団地の再開に合意しましたが、北韓への経済制裁が続く中、韓国側は再開に応じていません。

金正恩委員長は韓国側が建設した施設の撤去について「韓国側の関係部門と協議して」という条件をつけたことから、韓国側とこの問題で対話を進める用意を示していました。
 25日、韓国側施設の撤去に関する協議を通知文で申し入れてきたのも金正恩委員長による指示があったためと見られます。

一方、金正恩委員長の金剛山視察には、妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長ら党幹部のほか、対米交渉を率いる崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官も同行していたことも注目されます。対米交渉が停滞しているなかで、金剛山観光の再開のためにも必要な、北韓に対する制裁緩和をアメリカに求め、圧力をかける狙いがあったとする見方もあります。

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