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ク・ギョンミの短編小説「怠けを殺せ」

2019-10-29

ⓒ Getty Images Bank

私をこの「怠け治療センター」にぶち込んだのは祖母だった。


 나를 지금의 이 ‘게으름체료센터’에 집어넣은 사람은 할머니였다.



2008年に発表された作家、ク・ギョンミの短編小説「怠けを殺せ」は、

「怠け治療センター」の意味深な場所に関する主人公の独白で始まります。


主人公の「私」は就活中の26歳の女性です。

若い頃からホルモン焼きの店を経営しながら

苦労して家計を立ててきた祖母にとって

就活中の孫娘は

怠け病にかかった患者にしか見えません。



#インタビュー:文芸評論家 チョン・ソヨンさん

主人公の「私」は怠けを選択したのではなく、社会から怠けを強いられた人物といえます。就職するためにいろいろと努力しているにもかかわらず、現実の壁にぶつかります。しかし、人々はこのような就職できない若者を見ると、現代社会の構造について考えるのではなく、個人の努力不足と見なしてしまいます。成果を重視する今の社会では、さまざまな理由で就職できずにいる人、勤めていた会社を辞める人に対してその理由を訊いてみるより、簡単に怠慢な人と定義してしまうのです。小説ではこうした冷たい現代社会の視線を端的に表現するため、怠けを病気と見なし、治療する架空のセンターがあると設定しています。



正確にいえば入院ではなく入所だ。

祖母は怠けを病気だと言っているが、

それはむしろ習慣や無気力といったほうが近い。


だから、この施設のトップは院長ではなく校長で、

職員は看護師ではなく先生なのだ。

先生は私たちを教育生と呼ぶ。

なら、なぜ、ここの名称は

学校や訓練所ではなく治療センターなのだろう。

教育生を徹底的に教育させるという強い意志の表明かも知れない。

あるいは怠けを病気と考える

祖母のような人を満足させるためだったのかも知れない。



정확하게 말하면 입원이 아니라 입소가 맞다.

할머니는 게으름을 병이라고 했지만

사실은 습관이나 무기력에 더 가까우니까.


그래서 이곳의 우두머리는 원장이 아니라 교장이고,

직원들은 간호사가 아니라 선생이다.

선생은 우리를 교육생이라고 부른다.

그런데 왜 이곳의 명칭은 

학교나 훈련소가 아니라 치료센터일까.

어쩌면 교육생들을 철저하게 교육시키겠다는 

강한 의지의 표명인지도 모르겠다.

또 어쩌면 게으름을 병이라고 생각하는

우리 할머니같은 사람들을 위해 

일부러 그렇게 지었는지도 모른다.




作家:ク・ギョンミ(1972. ~、慶尚南道宜寧郡生まれ)

デビュー:1999年 京郷新聞新春文芸「椿旅館に入る」

著書:「初志一貫、彼女は」(2002)、「遊ぶ人間」(2005)など

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