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キムジャンの季節3-宮中キムチ

#古女房と新妻のソウル嫁談義 l 2019-11-25

玄海灘に立つ虹

© Getty Images Bank

今月はキムジャンの季節だということで、いろいろとキムチに関する話をしてきました。日本から来る友達に宮中キムチを食べたいという人が多いんですよね。宮廷料理で食べられていたキムチにはどんなものがあるんですか?


宮廷料理の登場する韓国ドラマというとやはり「宮廷女官チャングム」を思い出す方が多いのではないでしょうか。でもチャングムの時代には今のような辛い真っ赤なキムチは存在しませんでした。

というのも白菜は19世紀の末頃に中国から入ってきたものですし、キムチの味付けに使われるコチュカル(唐辛子粉)を使い始めたのも18世紀の中頃だからです。ですからチャングムの時代には今のようなキムチはありませんでした。

でも朝鮮末期、高宗と純宗の食膳にはキムチが登場しています。当時、王様の食膳には12種類のおかずが並べられたそうです。 その中で젓국지(チョックッチ), 송송이(ソンソンイ), 동치미(トンチミ)の3つは必ず毎回食膳に上がったおかずで、どれもキムチの種類です。

송송이(ソンソンイ)は今でいうカクテギ(大根のキムチ)のことです。また 젓국지(チョックッチ)が白菜のキムチで、塩辛を入れて漬けたのでこのような名前になりました。トンチミは唐辛子を入れない大根の塩漬けのことです。普通のトンチミは大根と塩と水だけで漬けますが、宮中ではそこに梨と柚子を入れて風味を増したといいます。

その他にも19世紀、宮中ではキムジャンの際には1千個のキムチを漬けたということで、材料の白菜や大根の栽培は宮中用の畑を指定して育てていました。またキムジャンの際には量が多いので準備に1日、塩漬けに1日、完全に終えるのには10日もかかったそうです。

宮中で漬ける白菜のキムチ、チョックッチは塩辛をたくさん用いて漬けますが、生臭さを避けるために塩辛は片口イワシの塩辛を使わずに、アミの塩辛、黄石魚(イシモチ)の塩辛などを使っていました。

そして今では宮廷キムチはポッサムキムチという名前で知られています。このキムチの特徴は塩漬けにした白菜の葉を広げ、その中に野菜や果物、海産物、栗、なつめなどを入れて包みこむことで、円形のちょうど日本の茶巾寿司のような形です。味はあっさりしていて辛さ控えめ、ニンニクや唐辛子粉などが見えないように作るときにガーゼでこすのが特徴だといいます。

北韓・開城(ケソン)地方の郷土料理として知られており、かつて王の食卓にも並んだ高級キムチです。それで最近では宮廷キムチと呼ばれています。山海の豊富な材料を使用しており、一品料理としても遜色のないポッサムキムチ。北部料理専門店や、宮廷料理・韓定食の専門店などで食べられます。また、大型スーパーのキムチ売り場でも手に入り、お土産として購入することも可能です。

2015年には歌手サイの宮中キムチとして真空パック入りのものが大手メーカーからも出ていましたが、現在は販売されていません。ですから飲食店でおかずとして出てきたときにお店のものを購入するなり、あるいはデパ地下などで購入することをお勧めします。

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