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北韓の軍事行動計画、金正恩委員長が保留

2020-06-27

ニュース

ⓒYONHAP News

北韓は、韓国に対する軍事行動計画を保留しました。

北韓の国営朝鮮中央通信は24日、金正恩国務委員長が23日に開かれた朝鮮労働党中央軍事委員会の予備会議で、韓国に対する軍事行動計画を保留したと報じました。

北韓は最近、脱北者団体が北韓に向けて金正恩委員長を批判するビラを飛ばしていることに反発し、韓国との関係を「敵対関係」に転換すると宣言、具体的な措置として開城にある南北共同連絡事務所を爆破しました。

それとともに、韓国に対する「4大軍事行動計画」を明らかにしました。

北韓は具体的な軍事行動計画として、韓国へ向けたビラ散布、開城工業団地と金剛山観光地区への兵力の派遣、撤去した非武装地帯の監視所の復元、休戦ライン付近での軍事演習を挙げました。

こうした軍事行動計画は金正恩委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が発表しました。

金与正党第1副部長は13日の談話で、「次の行動を決行する」として、軍に対してDMZ=非武装地帯に進入するための準備をするよう命じたと明らかにするなどして、ここ数週間で南北の緊張は高まっていました。

北韓は実際に韓国へのビラ散布の準備が終わったと発表し、休戦ライン付近では宣伝放送に使う大型スピーカーを再設置する作業を始めたことが確認されていました。

緊張が高まる中、金正恩委員長は23日、軍事行動計画を保留すると宣言しました。

その後、休戦ライン付近で大型スピーカーを再び撤去し、国営メディアから韓国を批判する記事は姿を消しています。

北韓が軍事行動を警告するほどに反発したのは、脱北者団体が北韓に向けて金正恩委員長を批判するビラを飛ばしたことが発端となりました。

脱北者が飛ばしたビラは、金氏一族の権力世襲を批判し、金正恩体制の不正腐敗、非道徳性を暴露する内容でした。

北韓がビラ散布に過度に神経質に対応したのは、ビラの内容が体制を脅かす要因になり兼ねないと判断したためとみられます。

北韓としては、軍事行動を示唆するなどして、この機会にビラ散布を完全に中止させるとともに、内部の結束を図る狙いがあったとする指摘もあります。

国際社会の制裁が長期化するなか、新型コロナウイルスの影響で中国との貿易が激減するなどして、北韓経済は極度に悪化し、住民の不満は高まっています。

北韓の事情に詳しい消息筋によりますと、平壌市民だけでなく、軍に支給しなければならない食糧や日用品も大きく不足しているということです。

中国との貿易が激減したことで外貨準備高は底をつき、地方では飢え死にする人が出ているとの話もあります。

金与正党第1副部長が韓国に対する強硬姿勢を前面に打ち出し、金正恩委員長が最終段階で計画を保留するとしたのは、緊張を高めることで住民の不満を抑制し、一方で韓国やアメリカから最大の譲歩を引き出す狙いがあったとみられます。

金正恩委員長が軍事行動計画を保留したことで南北関係は破局を免れましたが、南北関係が回復するまでには時間がかかる見通しです。

北韓は強硬姿勢を打ち出すことで、韓国からビラ散布の中止という譲歩を引き出し、一方では住民の結束を図るという所期の目的を達成しました。

北韓は当分、韓国との関係回復に動き出すよりは、情勢の変化を見守りつつ、新たな戦略を準備するものとみられます。

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