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バイデン政権発足と韓国経済

2020-11-14

ニュース

ⓒKBS News

アメリカの大統領選で当選を確実にしたバイデン前副大統領の政権移行チームはこのほど、次期政権発足に向けて準備を進めるスタッフの名簿を公表しました。

バイデン氏は外交・安全保障政策については、「多国間主義」と「同盟重視」の姿勢を明らかにしています。

経済政策については、自由貿易体制への復帰や雇用回復を掲げています。

トランプ大統領は自由貿易主義から距離を置く姿勢を鮮明にしていましたので、トランプ政権の経済政策からどう変化するのか、韓国経済にはどのような影響を与えるのかに関心が寄せられています。

トランプ大統領は「アメリカ第一」主義を掲げ、多国間交渉より二国間交渉を優先するなど、自国中心主義の経済政策を進め、中国からの輸入に高い関税を課し、事実上の貿易戦争に発展しました。

トランプ大統領は韓米自由貿易協定について、「ひどい合意」だとして再交渉を求め、自動車などの輸出でアメリカに有利な方向に協定が改正されたりしました。

バイデン氏は、二国間交渉よりは多国間交渉を重視する方向へ舵を切るものと予想されます。

バイデン政権では既存(きそん)の多国間の貿易ルールを重視する方向へ経済政策が転換されるとみられますが、バイデン氏も自国の利益を優先する経済政策を進めるはずですので、こうした方向転換が韓国経済にプラスに作用するとはかぎりません。

米中通商摩擦についてみますと、バイデン氏も安全保障の観点から中国経済への依存を低減させる「脱中国化」を主張していて、中国製品に対する制裁関税は完全に排除していません。

知的財産権侵害や為替操作、国有企業への補助金などについても貿易制裁を課すことを公約しています。

バイデン氏の政権移行チームは対中政策について、環境や人権問題を重視するとしていますし、中国の経済圏構想「一帯一路」の拡大を阻止するために同盟国に協力を求めていくとしていますので、米中の対立が短期間に解消されるとは思えません。

中国は韓国にとって最大の貿易相手国だということを考えると、米中の通商摩擦が長期にわたって続くのは韓国経済にとってはマイナスです。

バイデン政権が中国に対しても多国間主義を適用し、通商摩擦が部分的に解消されるなどすれば、韓国政府としてもより安定的に経済政策を進めることができますが、アメリカでは中国通信機器最大手ファーウェイに対する制裁を強化する法律が超党派の賛成ですでに成立していて、バイデン政権でも中国に対する強硬路線は続く可能性が高いとみられます。

米中の対立が長期化し、世界経済がアメリカ圏、中華圏、欧州圏の3つに分断されるようなことになれば、韓国としては厳しい選択を強いられることになります。

一方、バイデン氏は気候変動対策に2兆ドルを投じると公約していて、太陽光発電や風力発電などクリーンエネルギーへの設備投資が進めば、韓国の関連企業にプラスに作用するとみられますが、一方で環境規制を強化する姿勢も鮮明にしていて、石油化学関連業種にはマイナスの影響が及ぶのではないかと懸念されています。

このようにバイデン政権の経済政策が韓国経済に与える影響は両面性があり、現時点でバイデン政権の経済政策が韓国経済にプラスになるかマイナスになるかを判断するのは難しい状況です。

いずれにしても、韓国経済が製造業の輸出を軸に回っていることを考慮すると、トランプ政権よりは自由貿易体制の維持を掲げるバイデン政権のほうが韓国経済にはメリットが大きいとみられます。

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