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水素社会に向けた取り組みの現状や今後の課題

#今週の経済の焦点 l 2021-02-08

ⓒ Getty Images Bank

政府が「水素経済活性化ロードマップ」を発表してからおよそ2年。去年2月に韓国で成立した、水素社会の実現に向けた世界初の法律、「水素経済の育成および水素の安全管理に関する法律」が5日施行されました。

韓国政府は2019年1月に「水素経済活性化ロードマップ」を発表し、2040年までに燃料電池車を620万台に増やし、水素ステーションを1200か所に拡大するという目標を掲げました。そして、この2年間、韓国の水素関連産業は着実に成長してきました。2年前は893台に過ぎなかった燃料電池車の普及台数は1万900台に増え、水素ステーションは14か所から70か所に増加。燃料電池による発電量も2倍に増えました。

水素は燃料電池などとして活用することで、効率よく電気や熱を取り出すことが可能なほか、二酸化炭素を排出しないため、温暖化対策においては重要なエネルギー源です。世界的な市場調査会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」は2017年、「水素市場の拡大」と題する調査報告書をまとめ、水素市場は2050年には2兆5000億ドル規模に成長し、3万人以上の雇用が生み出されると予想しています。

一方で、水素が生活の中の主なエネルギー源として定着するには、解決されなければならない課題があります。水素が新しいエネルギー源として注目される理由は、地球上にほぼ無尽蔵に存在するからです。しかし、水素はそのままの形では地球上に存在していないため、燃料電池に使うためには化石燃料や水から何らかの方法で取り出さなければなりません。この酸素の抽出にコストがかかることや環境への負荷を心配する声があります。また、再生エネルギーで製造されるグリーン水素の普及のためには、高い製造コストに加え、水素の長距離輸送の難しさという課題を解決する必要があります。

きめ細かな取り組みにより、温室効果ガスの排出をゼロにする「脱炭素社会」を実現するとともに、水素社会の主導権を手にするための土台を築くことが課題となっています。

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