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第604話 韓国初のオスカー女優、ユン・ヨジョン

#アジュンマの井戸端会議 l 2021-04-27

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

韓国の女優、ユン・ヨジョンさんが、第93回アカデミー賞授賞式で、韓国人俳優として初め

て助演女優賞を受賞しました。映画『ミナリ』での演技が評価されたのです。


ユン・ヨジョンは1947年生まれ。現在は非武装地帯に当たるケソン近くに住む裕福な家庭

で長女として生まれました。韓国戦争で家族がソウルに避難し、その後ソウルに住むよう

になります。父親が早くに亡くなり、養護教諭だった母親のもとで育ち、漢陽(ハニャン)大

学の国文科に進んだユンさんは、学費の負担を軽くしようとアルバイトを始めたのがきっか

けで演技をするようになり、今に至ります。


1966年にまずテレビタレントとしてデビューし、5年後の1971年、MBCドラマ『チャンヒビン』でチャンヒビンを演じたことで、大衆的な知名度を上げました。スクリーンデビューも同じ年に果たしました。『火女』という、アカデミー賞受賞後のあいさつで言及したキム・ギヨン監督の作品でした。チャンヒビンもそうでしたが、ユン・ヨジョンの務める役柄はどれも一筋縄ではいかない役ばかりで、『火女』でも主人の男性を誘惑する家政婦の役、その翌年の『蟲女』では、妾であり重度のヒステリー女を演じるなど、20代の女優としては珍しく、強烈な役どころを演じてきました。


女優として全盛期を謳歌していた1974年、突然結婚し、アメリカに渡ります。そして1985年に帰国し、翌年離婚。その後は二人の息子を育てるため、どんな小さな役でもなりふり構わず演じてきたとして、いまでも自らのことを「生計型俳優」と称しています。帰国後はずっとドラマに出演していた彼女のスクリーン復帰作は、2003年に公開された『浮気な家族』でした。この作品では主人公の母親役でしたが、小学校の同窓生と不倫する姑の役で、またしても破格の役どころで話題をさらいました。


実際、「何をするにしても人と同じにはしないことを目指している」と最近のインタビューで話しています。いまはだいぶなくなってきていますが、途中で筋が変わったり、脚本が間に合わなかったりしてメモのような形で慌ただしく台本が渡された場合でも、完璧にセリフを覚えるなど周到に準備をし、準備ができていない後輩たちに毒舌も厭わないことでも知られています。受賞後の記者会見で、「演技を専攻していない弱点の多い自分にできることは、一生懸命セリフを覚えることだけだった。現場で他人に迷惑をかけてはならないという気持ちで演技を始めた。好きで始めたというより生計を立てていくために演技をした」、「とにかく努力をする。練習は無視できない」などと話し、ベテランとなった今でも努力を怠らない姿勢を窺わせています。

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