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志願兵制度と徴兵制度と女性徴兵

#マル秘社会面 l 2021-06-02

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

6月は「護国報勲の月」と呼ばれます。6月6日は国土防衛のために命を落とした人々の忠誠を記念する顕忠日(ヒョンチュンイル)ですし、6月25日は韓国戦争が勃発した日だからです。そこで今日は軍隊に関する話です。


よく話題にはなるものの、そう簡単には変わらないだろうと思われる徴兵制度。徴兵制度の話が出るたびに登場するのが、志願兵制度と女性徴兵です。志願兵制度というのは現在のように国民の義務として軍隊に行くのではなく、アメリカのように志願して自ら行くというものです。また女性徴兵というのは、男性だけ軍隊に行くのは公平ではない、女性も軍隊に行くべきだというものです。


まず、女性徴兵に関する数字からご紹介しましょう。女性も基礎訓練を受けて予備軍制度に編入させようという「男女平等服務制度」に関してたずねた調査です。4月23,24日の二日間、全国の成人男女1010人を対象に韓国社会世論研究所が行った調査の結果、「男女平等服務制度」に賛成すると答えた人が全体の45.6%、反対が49.6%で、若干反対が多くなっていました。


年代別には30代以下では賛成するが20代54.9%、30代54.8%と多くなっており、40代以上は反対するがそれぞれ40代59%、50代52%、60代53.9%でした。地域的には大部分の地域で反対が多かったのに対して、唯一、光州・全羅道地域だけは賛成が多くなっていました。


一方、男性だけが徴兵の対象になっているのは憲法に反するという訴訟が憲法裁判所に過去10回も出されていますが、憲法裁判所は一度も認めたことはありません。女性の身体は戦闘に向いておらず、女性を服務させることになれば軍の施設の改良など大きな費用がかかるというのがその理由でした。


しかし女性の側から女性の徴兵に賛成を唱える人もいます。インターネットには「男性たちの軍隊に行って来たと威張っているのを見るのがイヤなので、女性にも徴兵制を導入しよう」という声も見られます。


大統領府の国民請願には「女性も男性と同様に徴兵しよう」という書き込みがあり、29万人がこれに同意しました。


ただ今政界で口論されている女性徴兵論は「強力で効率的な国防」のためというよりは、政治的な側面が強いようです。20代男性の支持離れが深刻な与党「共に民主党」が、 若い時期に軍生活を強いられ、就職や昇進などで女性に比べ不利だと感じる若い男性の不満を解消し、人気を得ようという動きだという見方です。


一方、志願兵制度に関してはハンキョレ新聞に面白い記事がありました。20年前には進歩勢力は志願兵制度、保守勢力は徴兵制度というのが基本的な考え方だったというのです。軍事政権を経験した世代だったからです。しかし今、議論されている内容は違うといいます。軍隊に行きたくないという青年層でも無条件志願兵制度に賛成というわけではないというのです。若者たちの意見です。


「志願兵制度になれば国防力に問題が生じるだろうとし、自分の事だけ考えて国の心配をしない人間に見られるのは嫌だ」

「政治家など特権階級の子供が軍隊を免除されたり、特権を受けるのは腹が立つ。不平等に扱われるくらいなら皆公平に無条件軍隊に行こう」

「アメリカの例から見て志願兵制度にしたら低所得層の青年だけが軍隊に行くだろう」


そして最後の結論は志願兵制度のような遠い未来のことを論議する前に、目の前の今の軍隊の将兵の月給を値上げするなり、施設や食事を改善すべきだという意見に落ち着くようです。何かほろ苦い現実ですね。

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