全員日本人の5人組ガールズグループ「UNICODE」
2024-04-17
昔々、ある村に貧しいけれど、仲睦まじい老夫婦が住んでおりました。
夫婦は毎日のように山に登っては、子どもを授かりたいと祈っていました。
二人の祈りが天に届いたのでしょうか。
年老いた夫婦の間に子どもが生まれました。
ところが生まれてきたのは人間の赤ちゃんではなく、蛇でした。
「それでも天から授かった命、私たちの子だ。大事に育てよう」
時は流れ、蛇は結婚を考える年頃になりました。
おばあさんは隣の家の三人の娘にそれとなく縁談を申し込んでみました。
すると、三番目の娘はしばらく考え込んだ後、こう答えました。
「私、グロンドンドン・シンソンビさまのお嫁さんになります」
「グロンドンドン・シンソンビ」に特別な意味はありません。
大蛇を意味するグロンイと、学識ある文士を意味するソンビという
二つのことばを合わせ、親しみを込めてそう呼んだのでした。
グロンドンドン・シンソンビと三番目の娘の結婚式の日。
夜が更け、グロンドンドン・シンソンビの妻はうつらうつら眠ってしまいました。
部屋の戸が開く音に妻ははっと目を覚ました。
すると、目の前に見知らぬ青年が立っているではありませんか。
「私です。あなたの夫、グロンドンドン・シンソンビです」
グロンドンドン・シンソンビは天界の人だったのですが、天界で過ちを犯し、
その罰として蛇の姿に生まれ変わったと打ち明けました。
そして、蛇の姿をした私を心から愛してくれる女性と出会ったら、
夜の間だけは蛇の衣を脱いで人の姿になれると話しました。
グロンドンドン・シンソンビと妻は、昼の間は蛇と人の姿で仕事に励み、
夜になると、仲睦まじい夫婦として幸せに暮らしました。
時間が経ったある日。
グロンドンドン・シンソンビは天帝から下された罰が終わり、
昼の間も人の姿で生きていけるようになったと言いました。
そして、天界にその事を知らせるために出かけていきました。
妻は帰ってこないグロンドンドン・シンソンビを探しに出かけることにしました。
妻はカラスや猪、獅子に頼まれたことをやりこなし、
動物たちが教えてくれたところへ向かいました。
そこは見たこともない場所でした。
グロンドンドン・シンソンビと妻は再会を喜びながら
ひしと抱き合い、涙を流しました。
ところが、グロンドンドン・シンソンビは自分を助けてくれた村長の娘と、
数日後、結婚することになっていました。
グロンドンドン・シンソンビは村長の家へ向かい、
自分と妻の間にあった誤解と再会について打ち明けました。
村長は三つの難題を出し、グロンドンドン・シンソンビの妻は
夫を取り戻すため、一つ一つ問題を解決していきました。
誠実で賢いグロンドンドン・シンソンビの妻は村長の娘より先に
三つの難題を解き、愛する夫と二度目の結婚式を挙げました。
そして、子どもを産み、いつまでも仲睦まじく、幸せに暮らした、とさ。
2024-04-17
2024-04-17
2024-04-03