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「窓外三更」ほか

#国楽の世界へ l 2024-01-09

国楽の世界へ

「窓外三更」ほか
朝鮮時代後期、風俗画の画家として有名な、シン・ユンボクさんの作品に、「月下情人(ウォルハジョンイン)」という絵があります。三日月の日の夜、真っ暗な夜道に男女が立っている姿を描いた作品です。この作品には、「月の明かりが薄暗くなった真夜中に、二人の心は二人だけが知っている」という言葉が書かれています。ここで真夜中を意味する漢字は、12時頃を指します。電気もなかった時代の12時は、本当に真っ暗な夜です。暗い夜道に立っていた二人は、どんな気持ちだったでしょうか。この言葉は、昔の詩から引用したものですが、「窓外三更(チャンウェサムギョン)」という詩にも同じ言葉が出てきます。窓の外には雨が降り、そんな真夜中を共に過ごした二人は、永遠に一緒にいることを約束したけれど、結局は別れてしまったという内容の詩です。その気持ちは、当事者でないと理解できないでしょう。

風俗画の画家といえば、シン・ユンボクさん以外にも、天才画家といわれるキム・ホンドさんがいます。二人は当時の人々の姿を生々しく描いたので、中には音楽に関する絵もたくさんあります。キム・ホンドさんの「ムドン」という作品は、踊っている子供の姿を描いたものです。子供の傍には、演奏者が座っています。担当する楽器は、ピリが二人、テグム、ヘグム、チャング、ブクが一人ずつで、合計6人です。このような編成を、三絃六角といいます。現在も舞踊の伴奏では、このような三絃六角の編成で演奏します。踊っている子供は、片足を高く上げていて、もう一方の足は地面についてはいるものの、つま先立ちなのですぐにでも飛び上がりそうです。音楽をお聞きになりながら、作品の中の子供の踊りを想像してみてください。今度は、僧侶のなりをして踊る「スンム」という踊りの伴奏音楽、「デプンリュ」という曲です。もともとは、とてもゆっくりの曲からはじまりますが、今日は興が湧いてくる後半の部分をお聞きいただきます。

キム・ホンドさんは、神仙の姿もよく描きました。神仙が好きな楽器は、センファンだと言われます。センファンは、丸い筒に、異なる長さの竹をいくつも刺したような形の楽器です。横から見ると、鳳凰が座っている姿に見えるそうです。竹の中には小さな鉄板を付けて、息を吹き入れると鉄板が揺れ金属製の音を出します、ピリやテグムのように竹だけで作った楽器とは音色が全く違うため、昔の人々はセンファンの音を竜の鳴き声のようだといいました。今日の最後は、水の中の竜が歌うという意味の、「スリョンウム」という曲です。センファンの音色はいかがだったでしょうか。本当に竜の鳴き声のように聴こえるでしょうか。広い湖の穏やかな波が浮かぶような曲でした。

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