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絵本「カエルと釜めし」

#ソウル・暮らしのおと l 2024-01-12

金曜ステーション

ⓒ 백석, 보림
きょう紹介するお話は、詩人・白石(ペク・ソク)の書いた童話詩「カエルと釜めし(개구리네 한솥밥)」です。
童話詩とは、童謡のように韻をふんだ文章で綴った物語のこと。白石は全部で12編の童話詩を残しており、絵本としてたくさん出版されています。今日はそのうちの一つ、カン・ウグンさんの絵による「カエルと釜めし」の絵本をご紹介します。
では、ページを開いてみましょう。

ⓒ 백석, 보림
あるところに、貧しく気立ての良いカエルがいました。ある日カエルは、米1斗をもらうために、兄さんの家を訪ねにでかけました。
ペタン、ペタンとカエルが道を急いでいると、溝の方からカニの泣き声が聞こえました。
「カニさん、どうして泣いているんだい?」「ハサミを怪我して痛いんだ」
カエルは急いでいるのも忘れて、カニのハサミの手当てをしてあげました。
さらに道を進むと、畔道からコメツキバッタの泣き声が聞こえました。

ⓒ 백석, 보림
「コメツキバッタさん、どうして泣いているんだい?」「道に迷ってしまったんだ」
カエルはコメツキバッタに道を教えてあげました。
さらに進むと、地べたの穴の底から フンコロガシの泣き声が聞こえました。

ⓒ 백석, 보림
「フンコロガシさん、どうして泣いているんだい?」「穴にはまって出られないんだ」
カエルはフンコロガシを穴から引っ張り出してあげました。
さらに進むと、草むらからカミキリムシの泣き声が聞こえました。
「カミキリムシさん、どうして泣いているんだい?」「草に絡まって進めないんだ」

カエルはカミキリムシに絡まった草をほどいてあげました。
さらに進むと、水たまりからホタルの泣き声が聞こえました。
「ホタルさん、どうして泣いているんだい?」「水に落ちて抜け出せないんだ」
カエルはホタルを水たまりからすくい出してあげました。

そうして、カエルが兄さんの家に着くころにはとっぷり日が暮れて、米のかわりに稲しかもらえませんでした。あたりは真っ暗。重たい稲をかつぎ、遠い道のりをよたよた進んでいたカエルは、とうとう道に座り込んでしまいました。

ⓒ 백석, 보림
すると、さっきのホタルがやってきて、暗い夜道を照らしてくれました。
カミキリムシもやってきて、重たい稲をかついでくれました。
途中、牛のフンで道が塞がれていました。困っていると、フンコロガシがやってきて、牛のフンを片付けてくれました。
そうしてやっと家に着いたのですが、稲をつく石臼がありません。するとコメツキバッタがやってきて、稲を全部ついてくれました。
ところが、米を炊く薪がありません。するとカニがやってきて、ぶくぶく泡を立てて、釜いっぱいの白いご飯を炊いてくれました。
カエルは喜んで、釜のまわりにみんなを座らせ、一緒に釜めしを食べたそうな。

こんなお話でした。
リズム感のある言葉と物語の繰り返しが、味わいのあるこの童話詩の魅力となっています。白石は、 植民地支配下でも朝鮮のことばで詩を書き続け、民衆の暮らしに息づく伝統的な原風景を描いた詩人です。日本でも人気のある詩人・尹東柱がもっとも敬愛した詩人としても知られています。
力の弱いものたちが助け合って、いっしょに幸せにご飯をたべる、そんな心あたたまるお話を今年はじめの絵本として読んでみました。

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