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第741話 食用を目的とする犬肉の飼育や流通ができなくなる法案が可決

#アジュンマの井戸端会議 l 2024-01-16

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank
犬を食用として飼育することや食肉として処理することなどを禁じる法案が、1月9日、国会で可決されました。食用を目的とした飼育や流通が禁止となることから、法律が施行されれば、犬の肉を食べることができなくなります。

韓国には犬の肉を食べる習慣があり、「補身湯(ポシンタン)」という鍋料理がよく知られています。ただ、犬の肉を食べることについては、だいぶ長い間、賛否両論が分かれていました。伝統的な滋養食であり、文化であるという意見と、「犬は家畜ではなくペット(伴侶動物)である」との声が拮抗し、これまで違法でも合法でもない状態で放置されていました。

韓国政府は1973年、畜産法で定める「家畜」に犬を含めています。ところが、1975年には畜産物加工処理法(現在の畜産物衛生管理法)を改正し、犬のと殺、加工、流通などを管理の対象に入れることで犬の肉を食用畜産物として管理しようとしました。それが国の内外からの強い反発により、1978年、犬の肉を畜産物から除外するよう法を改めた経緯があります。犬を家畜に分類しているため飼育は可能なのですが、と殺や流通などは禁止されているという、矛盾した状況に置かれています。さらに動物保護法では犬や猫などを「伴侶動物」と位置付けています。

この問題は、国際大会を控えた状況のもとで、特に世界的な関心事となっていました。1986年のアジア大会、1988年のソウルオリンピックを前に、海外の動物愛護団体の強い反発に遭い、当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)政権は、犬の肉を扱う食堂に対し「補身湯」の看板を出せないようにしたということです。ソウル市は1984年、犬の肉を嫌悪食と位置づけ、食堂の営業を禁止しました。そのため、食堂はソウル郊外に移転したり、「栄養湯(ヨンヤンタン)」「四季湯(サチョルタン)」などの名の看板を掲げるようになりました。2002年に韓日が共催したサッカーのワールドカップの前にも、フランスの女優で動物愛好家のブリジット・バルドーさんが犬の肉を食べることに猛反対しています。また2018年の平昌(ピョンチャン)冬のオリンピックでは、動物愛護団体の反発を懸念した江原(カンウォン)道が、補身湯の食堂に支援金を支給し大会期間中は看板を改めるよう要請しています。

犬を伴侶動物として飼う家庭が増え、動物福祉への関心が高まっていることで、犬食を禁止する法案は政界でも関心を集めるようになりました。すでに文在寅(ムン・ジェイン)前政権のときにこの法案は国会に提出されていましたが、関連業界の反発などによりなかなか進展がありませんでした。国会の関係者によりますと、「業界の反発が大きい上、犬肉の需要はどんどん減る一方なのに、国がすすんでこの問題に首を突っ込むことはないのではないか」という意見も強かったということです。実際、2000年に韓国食品栄養学会誌に掲載された世論調査では、86.3%が犬の肉食に賛成していますが、2023年のニールセンコリアによる世論調査では、回答者の86%が「これから犬の肉を食べるつもりはない」と答えており、57%が犬の食用禁止を支持しています。特に若い世代で食べる人はほとんどいないでしょう。そうした中で愛犬家で知られる尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任し、特に妻の金建希(キム・ゴニ)夫人は犬の肉の食用禁止を強く呼びかけてきました。大統領室と与野党が一致協力し合ったため、法案の可決が迅速に行われたと言えます。

この法は6ヶ月後に発効しますが、3年の猶予期間が設けられます。したがって、2027年からは、食用を目的として犬を飼育あるいはと殺、販売する場合、最大で3年の懲役または最大3000万ウォンの罰金が科されます。

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