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兵役義務果たした人への加算点制度

2013-06-23

ニュース

兵役義務果たした人への加算点制度
兵役を果たした人が公務員試験を受けた際に一定の加算点を与えるという「軍加算点制度」が論議を呼んでいます。
国会の国防委員会は20日、軍加算点制度を再び導入する兵役法改正案について論議しましたが、結論を出すことはできず、その処理を9月の通常国会以降に見送ることになりました。
この日の委員会では、兵役中は就職の準備ができないことを考慮して兵役を果たした人にはある程度のメリットを与えるべきだとする意見と、女性に対する差別につながりかねず、平等権を侵害するとする主張がぶつかり、結論を出せませんでした。
与党セヌリ党の議員によって提案された兵役法改正案は、兵役の義務を果たした人が受ける公務員試験で、点数の2%を加算するとしていて、加算点で合格する人は全体の合格者の20%を超えないようにするとしています。
軍加算点制度は1961年に初めて導入されました。
この制度は、6級以下の公務員採用試験で、2年以上兵役の義務を果たした人には得点の5%、2年未満の兵役の義務を果たした人には3%を加算することにしていました。
この制度は兵役の義務がない女性に対する差別につながるとして論議を呼び、憲法裁判所は1999年、この制度は憲法に違反しているとの判断を示しました。
その根拠は、兵役の義務がない女性や障害者の憲法上の平等権を侵害しているというものでした。
これに基づいて、この制度は廃止されたわけですが、その一方で、軍を中心にこの制度を再び導入しようとする動きが根強く残っていたのです。
この背景には、憲法裁判所の違憲判断が、この制度そのものに対する判断ではなく、加算点が大きすぎで、差別につながるというものだったからです。
この制度を再び導入すべきだとする側は、加算点を縮小したうえで導入すると主張しています。
また、女性に対する差別になるとの点については、兵役の義務を果たした人に対する補償だと考えるべきだとしています。
兵役中は就職の準備もできませんので、就職試験でそれだけ不利なのは否めません。
また、兵役の期間だけ社会に進出するのも遅くなり、就職したあとも相対的に不利なのも事実です。
その不利な部分を補償する必要があるというわけです。
一方、制度に反対する側もそれなりに理由があります。
女性は男性に比べて就職の機会に恵まれないのが現実で、その上に加算点制度まで導入されれば二重の差別につながるとしています。
世論調査によりますと、制度を再び導入することに賛成する人がやや多いものの、反対する意見も少なくありません。
兵役の義務を果たした人に対する補償という観点からは、より根本的で普遍的な解決策を模索する必要があるとの声が強まっています。

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