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チョ・グク法相疑惑と20代

#マル秘社会面 l 2019-09-11

玄海灘に立つ虹

© YONHAP News

チョ・グク法相とその家族をめぐる数々の疑惑、それを見つめる20代の視線をご紹介します。まずこれまでのチョ・グクさんは政府に入る前のソウル大学の教授時代からSNSを通じて若者や弱者に寄り添うような、正論を刺激的な言葉で発信してきた人物でした。それが今回の問題、特に娘の大学や大学院受験に関する数々の疑惑で若者たちに大きな失望を与えています。20代の反応は一言で言うと

「政治的な争いは正直よく分かりません。しかし、1つだけ確かなことは韓国社会は徹底した階級社会になりつつあるということ、それを今回のチョ・グク法相の疑惑をみながら改めて痛感しました」

いわゆる「匙階級論」という言葉があります。産まれたときの金の匙と泥の匙の差は永遠に縮まらず、その格差はどんどん広がっていくと若者たちは感じています。先月29日に大統領府の近くで青年労働者の団体が記者会見を行いました。専門大学を出て現在はアルバイトをしているという29歳の男性は

「大学に通った3年間に10個以上の資格証をとり、成績も上位を維持しましたが、安定した企業への就職はできず結局はアルバイトをしています。もう개천에서  난다(川から龍が生まれ出る)そんな階級上昇は不可能な時代であることを痛感しました。チョ・グク法相には私たちの抱いた剥奪感を知って欲しいです」

では今回問題となっているチョ・グク法相の娘の華麗な受験スペック作りとはどんなものだったのでしょう。

チョ・グク法相の娘は高校在学中に病理学の論文の第1著者、鳥類学論文の第3著者となり、ソウル大学公益人権法センター主催のコンファレンスにインターンとして参加。高校3年生の夏休みには韓国物理学会主催の大会に参加し奨励賞をとりました。

実に素晴らしい経歴です。まさに天才です。しかし、当時ソウルには彼女のような天才がたくさんいたといいます。2009年まで高麗大学で実施されていた「世界先導人材募集」の枠、別名「お父さんのご職業は?」 彼女はこの募集で高麗大学に合格しました。受験予備校のコンサルタントは

「高麗大学の世界先導人材枠は小論文や各種大会の受賞成績など、学校以外の活動が多く反映されました。高校生がそんな実績を積むには父母のバックアップが必修なので、お父さんのご職業はという呼び名がつけられたのです」

その後の教育改革で、この募集枠はなくなりその代わりに現在では「学生総合簿募集」という新しい募集枠が出来ています。これは学校以外での活動と、自己紹介書、面接で選抜するというものです。これについても予備校のコンサルタントは

「学生総合簿募集で一番大切なことはストーリーです。学生活動を記録した学生総合簿と自己紹介書を中心に評価されます。そのため高校1年の頃から他人とは違った特別なストーリーを作っていく必要があります」

そしてそのようなストーリーを作るためには親のネットワークが何よりも大切だと言います。

「一番大切なのはネットワークです。親が大学教授や弁護士、医師など、人脈の良い専門職の父母ならば、ストーリー作りに良いプログラムをセッティングできるのです。たとえば法学部の教授や弁護士が親なら、知り合いの弁護士事務所、ローファーに頼んでインターンシッププログラムを作り、医師の親なら知り合いの病院に頼んでボランティアプログラムを作るという具合です」

ボランティア活動をどこでしたかで、その学生の親の職業が分かると言う話もあります。父母の人脈を活用して一般の学生たちには簡単に手の届かない、病院や裁判所などでボランティアをすることで、同じボランティアでもその内容や充実度、評価に大きな違いが生じるということです。

これまでは「名門大学への入試競争はおじいちゃんの財力、お母さんの情報力、お父さんの無関心がキーポイント」だと言われて来ました。しかし今度のことでこの公式が一部修正されました。「おじいちゃんの財力、お母さんの情報力、そしてお父さんの人脈」です。まさに親の人脈が大学や大学院の扉を開く世の中、若者たちのため息が聞こえてきます。

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