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原材料価格上昇の背景や韓国経済への影響

#今週の経済の焦点 l 2021-03-01

ⓒ Getty Images Bank

去年、新型コロナウイルス感染症の流行による景気の落ち込みとともに大幅に値下がりした国際市場での銅や鉄、原油などの原材料価格がこのところ、大幅に上昇しています。

送電線から自動車まで幅広く使われる銅の価格は景気に先行して動くことが知られ「ドクター・コッパー」という呼び名もあります。この経済の先行指標とされる銅の価格が10年ぶりの最高値を記録したほか、鉱物資源公社が鉄や銅、ニッケルなど15種類の鉱物をまとめて集計・発表する鉱物総合指数が10年ぶりに2000ポイントを超えました。国際原油価格も新型コロナが流行する前の水準を回復しています。

原材料の値上がりの背景には、新型コロナウイルスのパンデミックから各国経済が緩やかに回復し、原材料の需要が伸びていることがあります。景気テコ入れのために各国が取った緩和的な金融政策も原材料価格上昇の一因と指摘されています。

原材料価格の高騰は当面続くというのが大方の見方です。原材料価格の上昇は、鉄鋼、造船・海運、石油精製など一部の産業にプラスの影響を与えますが、韓国経済全体からすると、マイナスの影響を心配せざるを得ません。韓国は主な原材料や穀物のほとんどを輸入に依存しているからです。原材料価格が上がると、韓国の輸入物価が上がります。すると、製造物価が上昇し、輸出企業の価格競争力が低下します。消費者物価も上がり、家計の負担が重くなります。

原材料価格の上昇と、緩和的な金融政策という環境下でのインフレが韓国経済にマイナスの影響を与えないよう、きめ細かな対応によってリスクを抑えていくことが政府の課題と言えそうです。

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