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ユ・ヒヨルと坂本龍一

#マル秘社会面 l 2022-06-22

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

著作権のあるものに対する盗作、いわゆるパクリの問題は文学作品、映画やドラマ、そして絵画などのアートからアニメ、そして学術論文に至るまでいろいろな分野で起きています。その中でも特に音楽に関してはなかなか判断するのが難しい分野だと言えるでしょう。

最近韓国で問題になっている歌手兼作曲家のユ・ヒヨルの盗作疑惑。2021年9月にリリースしたピアノ曲「とても私的な夜」が、坂本龍一の2013年の楽曲「Aqua」と類似しているという指摘を受け、これを認めて謝罪した事件はいろいろな波紋を呼んでいます。

ユ・ヒヨルさんは歌手兼作曲家であると同時にKBSの看板音楽番組「ユ・ヒヨルのスケッチブック」の司会を2009年から務めており、その他にもテレビの対談番組やオーデション番組の審査委員をつとめるなど幅広い活躍をしている人物です。さらに「アンテナ」という多くのミュージシャンを抱えるプロダクションの代表でもあります。

そのため今回の盗作指摘に対してどう対処するのか世間の注目を浴びていましたが、すぐに「検討の結果、曲のメインテーマが類似していることを認めます」とし「長い間、最も影響を受け、尊敬していたミュージシャンなので、無意識に覚えていたメロディーで曲を書くことになりました。発表当時は、自分の純粋な創作物だと考えていましたが、2曲の類似性は認めざるを得ませんでした」と説明し、盗作疑惑を認めて謝罪しました。

これに対して20日、坂本龍一さんがコメントを発表しました。

「私にこの件を提供してくださったファンの皆さんと、この件について公に明かそうとしたユ・ヒヨルさんの率直な意図に感謝いたします。2曲の類似性はありますが、私の作品である「Aqua」を保護するための法的措置が必要なレベルであるとは考えられません。そして、私の楽曲に対する彼の大きな敬意が見られました。」

「全ての創作物は、既存の芸術の影響を受けています。(責任の範囲内で)そこに自身の独創性を5~10%ほど加味するとしたら、それは素晴らしく立派で、感謝すべきことです。それが私の長年の考えです」と発表しました。

さらに「現在、坂本龍一側では、これ以上この問題が相次いで拡散されることを望んでいません。アーティスト本人の意思を尊重していただけたらと思います。」という「Ryuichi Sakamoto Social Project, Korea」を運営しているIt Music Creativeからのメッセージも発表されました。

現在、坂本龍一さんはガンの闘病中だと聞きます。これ以上、同様の盗作疑惑で神経を煩わされたくないのだという気持ちがうかがえます。

一方で韓国の音楽ファンの中にはユ・ヒヨルが2002年、単独で作詞・作曲・編曲し、歌手ソン・シギョンが歌った「Happy Birthday To You」が、1998年に発売された玉置浩二の「HAPPY BIRTHDAY ~愛が生まれた~」と似ているなど、他にも何曲かの疑惑が提起されており、音楽ファンの中にはまだすっきりしないという人がいることも事実です。

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