ⓒ KRAFTON

特定のゲームのなかでだけ観ることができるコンサート（インゲーム(in-game)コンサート）を行う歌手が増えています。

なかでも大きく注目されたのは、韓国の4人組のガールズグループ、BLACKPINKです。人気モバイルバトルロイヤルゲーム「PUBG MOBILE」が開催した初めてのインゲームコンサート「THE VIRTUAL」に登場したのです。韓国と日本では７月23日から24日、７月30日から8月1日にかけて観ることができました。今回のコンサートの場合、「PUBG MOBILE」をダウンロードし、ゲーム内で「THE VIRTUAL」のチケットを獲得すれば観れるという無料のコンサートでした。このコンサートは、BLACKPINKのコンサートの模様をビデオで流すというようなものではなく、BLACKPINKのメンバーのアバターが仮想空間で行ったものでした。

本当のメンバーが出てこないコンサート？と思われるかもしれませんが、コンサートのチケットをゲットした人は７月21日の時点で500万人を超えていました。メンバーの３Dアバターとゲームのモバイルシステムが作り出した立体的な映像やサウンドなど最新技術が駆使され、仮想世界ならではのスペクタクルな場面が次々と展開されました。また、新曲も公開されたということです。

他にもゲームの中のコンサートとしては、今年２月、ジニーミュージックがオンラインゲームプラットフォームの「プレートゥギャザー」で行った公演で、歌手のジェイミー（パク・ジミン）が新曲を披露しました。新曲を歌う様子やトークのビデオが流れ、部分的にアバターが公演を行い、公演の後はアバターのジェイミーとのファンミーティングがあったそうです。

インゲームコンサートが行われているのは、短期間で高い話題性と収益を上げることができるからだと分析されています。2020年、アメリカのラッパー、トラヴィス・スコット（Travis Scott）がオンラインゲームプラットフォーム「フォートナイト」で45分間のライブ公演を行い、2770万人余りの観客を動員し、約262億ウォンの収益を上げました。BTSもフォートナイトを通じて当時リリースした曲『Dynamite』のダンスバージョンのミュージックビデオを初めて公開するコンサートイベントを行いました。このとき、270万人が同時参加したということです。

公演業界の専門家らは、ゲームの中のコンサートの人気はまだまだ続くだろうとみています。新型コロナの感染拡大以降、オンラインコンサートが馴染みのあるものとなった上、仮想空間でどれだけ観客を集め影響力を行使することができるかが、そのアーティストの活動を評価する一つの基準になっているというのです。実際、アメリカ最大規模の音楽授賞式「MTV Video Music Awards」は今年新たに「ベストメタバースパフォーマンス」部門を設け、この部門にBTS（人気ゲーム「Minecraft」の世界でアバターとなったBTSがヒット曲「Butter」「Permission to Dance」のメドレーを披露するというもの。メンバーが雲に乗って移動したり、魔法のように現れたり消えたりと、メタバース空間だからこそできるスペシャルなパフォーマンス）、ブルピン、アリアナ・グランデ、ジャスティン・ビーバーなどがノミネートされたと発表しています。