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SKY合格放棄の2000人

#マル秘社会面 l 2022-12-28

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

韓国は今が大学入試の大詰めです。11月17日に行われた大学入学修学能力試験の結果をもとに、明日29日から自分の行きたい大学に願書をだす「願書受付期間」が始まります。しかしその前に、すでに随時募集と呼ばれる推薦入学の願書をだした受験生らは、修学能力試験で必要な点数をとれていれば今月15日に合格者の発表があり、16日から19日の間に合格者の入学登録が行われました。

ところが今年、この随時入学の合格者の中でSKYと呼ばれるソウルの名門大学、ソウル大学、高麗大学、延世大学に合格した受験生のうち2206人が入学登録を放棄したというニュースが流れました。2206人というのはソウル大、高麗大、延世大の随時募集の合格者6699人のうちの32.9%にあたります。つまり3人に1人が合格したのに、登録しなかったのです。大学側はその分、追加合格者という名前の補欠の受験生を繰り上げ合格させることになります。

ではせっかく随時募集で合格したのに、入学を放棄した受験生たちはどこに行くのでしょうか。入学を放棄した受験生たちは、もっと行きたい大学や学部があるということです。そして今月29日からはじまる願書受付期間に本命の大学に願書を出すのです。それにしてもSKYと言えば韓国一の名門大学です。ソウル大学では随時募集の合格者138人が登録を放棄し、その分、138人が追加合格となりました。日本で言えば東大にあたるソウル大学に合格したのにこれを放棄した受験生はどこに行ったのでしょう。

主に他の大学の医学部や歯学部、薬学部に重複合格し、そちらをとったということです。ソウル大学でも看護学部、生命工学部、応用生物科学部、食品栄養学部などでの放棄者が多く、合格者の30%ほどが登録を放棄しています。反対に文系の経営学部、政治外交学部、社会福祉学部などでは放棄する人はあまりいませんでした。このような状況は高麗大学、延世大学でも同様で、理系の学部のほうが文系の学部よりも随時募集で合格しても放棄する人が多くなっていました。このような状況について大手予備校の代表は「ソウル大、高麗大、延世大の随時募集の合格者の登録放棄は主に理系で多く発生しています。大部分が他の大学の医学部にいくので、登録しなかったものと思われます」と話しています。

随時募集に応募する受験生は高校でもトップクラスの成績をとり、内申成績の良い生徒がほとんどです。随時募集の願書を出してから修学能力試験を受けるので、第一希望の大学はもちろん、安全圏の大学にも願書を出すことになります。そして修学能力試験でも良い成績を取れれば、さらに上の大学へと舵を切るのです。そんな優秀な受験生が最後に目指すのが、日本と同様に医学部です。ソウル大学に合格しても、それを蹴ってまで行きたい医学部です。でもそんな難関を突破して入った医学部、卒業後、今度は小児科医や産婦人科医の研修医のなり手が少ないという話を聞くと、何とも複雑に気持ちになります。

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