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大江健三郎と韓国

2023-03-15

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

ノーベル文学賞受賞者の作家、大江健三郎さんが亡くなったことが3月13日に発表されました。KBSをはじめとする韓国の主要メデイアが相次いで大江さんの功績と冥福を祈る報道をしました。日本に次いで多くの関心を寄せた国が韓国だったのではないかと思われます。韓国のメデイアが取り上げた大江さんと韓国との逸話の中で一番多く取り上げられたいたのが2015年に「延世・金大中世界未来フォーラム」に出席した際に「人間の感性の未来」と題した基調講演で、語ったこの言葉です。

「日本がアジアに対して、特に朝鮮半島、韓国国民にいかに大きな犯罪を犯したか。私は日本がこれに対して十分に謝罪したとは思わない」

この発言は当時の安倍首相、そして安倍首相を支持する日本社会の雰囲気を批判する中で出たものでした。また東亜日報は1995年に東亜日報の後援で開かれたシンポジウム「解放50年と敗戦50年」で、詩人の金芝河(キム・ジハ)氏との対談で 「日本は敗戦後、新生のために韓国人に謝罪し、過去の罪を清算しなければならなかったが、できなかった」と述べたと報じました。またキム・ジハ氏とは、1970年代にキム氏が独裁を続けていたパク・チョンヒ政権に抵抗して投獄された際に、大江氏が釈放運動を行ったとも報道されました。

大江氏は生前から韓国の政治や歴史問題だけでなく、韓国文学にも関心があったようで、生前こんな発言もしています。「韓国現代小説を愛読しており、高く評価している」とし「特にファン・ソギョン氏は現代の重要な問題を指摘するスケールの大きな小説を書く。個人の内面を描きながらも社会につながる人間を描写している」とし韓国のファン・ソギョン作家のことを高く評価しています。

大江氏の死去に関して文学評論家のイ・ミョンウォン氏は13日、フェイスブックに「戦後日本の良心と呼べる作家の大江健三郎先生が亡くなった」とし「安倍2期政権の登場以後、抵抗の意味で絶筆すると宣言したこともあった。謹んで冥福をお祈りする。韓国と日本の政界で起きている同調右傾化の現実を見ると、残念極まりない」と書き込んでいます。ハンキョレ新聞は「日本の良心、今月3日に死去」というタイトルをつけています。そんな大江さんの思想の根本にはこんな考えがあったのでしょう

「私は戦後世代として1020歳のときに戦争後の新しい社会を想像する中で、私の仕事に関連するすべての感受性を育んだ。一方、安倍首相はその時期を最も思い浮かべたくない、恥ずかしい時代だと思っているようだ。安倍首相は第2次大戦を経験しなかったし、その時日本がいかに恐ろしい犯罪を犯したのかについて、想像もできないようだ」

と語っています。安倍首相も大江健三郎も亡くなった日本、これからの韓日関係はどうなるのでしょう。明日16日には日本で5年ぶりに韓日首脳会談が行われます。大江健三郎さんのご冥福をお祈りします。

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