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「珍島ダシレギ」ほか

#国楽の世界へ l 2023-11-28

国楽の世界へ

「珍島ダシレギ」ほか
今日が人生の最後の日のように生きる、という言葉があります。人はみんないつかは亡くなりますが、みんなそのことは知っているものの、自分もいつか死ぬということを忘れて生きる場合が多いような気がします。以前は、自分の家で息を引き取ることが多く、村中の人が集まって葬儀を行いました。村では、年に何回も葬儀を行うことがあったはずです。それだけ頻繁に葬儀を行うと、生きることと死ぬことの間隔が、それほど離れていないと感じたかも知れません。文化遺産、「珍島(チンド)ダシレギ」は、そのような文化から由来したものです。「珍島ダシレギ」は、納棺する前日、歌を歌ったり、楽器を演奏したり、演劇をするなどの遊びです。最後には、赤ちゃんが生まれる場面があり、亡くなった方がそのような形で再びこの世に来ることを願う気持ちが込められていたようです。

死を厳粛にとらえる文化では、葬式会場で歌い踊ることが理解できないかも知れません。一方では当然のことが、他方ではおかしく感じることもあるというのが、文化の属性です。ダシレギは、喪主が悲しさのあまり心と体を痛めることがないよう、慰めるという意味で楽しむ遊びです。この世からあの世への道がそんなに遠くないと感じ、また、逆の道もあることを信じるなら、残された家族の悲しみむ薄らぎそうです。最近は車に棺を載せて移動しますが、昔は輿を使用しました。花嫁が乗るように華やかな色で飾った輿を、何人かの人が担いで棺を移動させます。亡くなった方の最後の贅沢と言えます。家から輿が出るときは、歌も歌いました。みんなで輿を担ぎ、狭い小道を通るには、足並みをそろえる必要がありましたが、このとき、歌がテンポを合わせる役割をしたのです。また、歌が上手な人が人生やあの世について歌うと、残りの人々も生きることと死ぬことについて考え、人生を振り返るきっかけになりました。

「珍島シッキムグッ」は、あの世に無事に到着できるようにと祈願する祭祀です。遺族が元気に生きられるように健康と長寿を祈願する祭祀を行ってから、亡くなった方を見送る順番で行われます。このとき、コプリとは、亡くなった方の恨みを晴らすために巫女が踊る儀式です。そして、シッキムは、亡くなった方の洋服を丸めて身体のような形を作り、それを巫女がきれいにするという儀式です。この世での恨みを洗い流すという意味があります。祭祀の最後では、キルダックムといって、あの世への道を平坦に整える儀式を行います。あの世への道を目に見える形で見せてくれるため、祭祀に参加した立場でも、家族を心から送り出すことができるのです。

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