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経済

フレックスタイム制をめぐる労使の合意

#今週の経済の焦点 l 2019-02-25

© YONHAP News

韓国では、一定期間内の総労働時間を定め、週平均の労働時間を法定労働時間に合わせる「フレックスタイム制」をめぐり、議論が続いてきましたが、19日、対立していた労使が劇的に合意に至りました。

韓国では、7月から1週間当たりの法定労働時間が残業を含めて52時間になりました。そして、政府は、この制度を補完するため、3か月を上限とする一定期間内の総労働時間を改めて定め、週平均の労働時間を52時間に合わせる「フレックスタイム制」を導入しました。

ところが、3か月という上限は短いとして、この清算期間をもっと長く設定するよう求める声が企業から上がりました。一方、労働者側は、清算期間が長くなると、給料が減るおそれがあるほか、長時間労働が再び日常化し、労働者の健康や暮らしの質の悪化につながりかねないとして、反対しました。

双方の合意を目指し、去年11月、働き方や生活に関する議題を話し合う大統領直属の諮問機関、経済社会労働委員会が発足し、9回にわたる会議の末、今月19日、「フレックスタイム制」の精算期間を最大6か月に拡大することで労使が合意しました。

合意案では、労働者を保護するために、毎日、連続11時間の休息時間を設けとしています。また、会社側に対し、給料が減った分を補てんする対策を取ることを義務付けるとしています。しかし、今回まとまった合意案については、問題があるという指摘もあります。今回の合意により、清算時間を6か月にしてフレックスタイム制を実施する場合、そのうちの3か月間は、1週間当たりの労働時間を64時間まで増やすことができるようになります。すると、慢性過労の認定基準である「12週連続、60時間」を超えるケースも出てくる可能性があります。何よりも、「フレックスタイム制」の拡大によって、労働時間の短縮、労働環境の改善、ワークライフバランスの達成を目指して導入された週52時間勤務制の趣旨が薄れてしまうことを心配する声が上がっています。

「フレックスタイム制」の清算期間の拡大がもたらし得る問題に対処し、労使双方にとって良い制度にするための努力が求められています。

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