自己啓発本『セイノの教え』
2024-03-21
現代経済研究院はこのほどまとめた報告書のなかで、韓国経済の潜在成長率が、現在の2%台半ばから、2026年以降には1%台に低下するとの見通しを示しました。
潜在成長率は、急速なインフレを誘発せずに、ある国の労働力と資本を最大限活用して達成可能な成長率を意味するもので、その国の経済のいわば基礎体力を示す指標となります。
韓国の潜在成長率は、1990年代はじめは7%台半ばとなっていました。ところが、その後、低下が進み、ことしは2.5%と推定されています。そして2026年からは、1%台に下がることが予想されています。
かつての潜在成長率の低下は、通貨危機やグローバルな金融危機を背景としていましたが、最近の潜在成長率の低下は、少子高齢化が大きな要因となっています。設備投資が減っていることも要因となっています。設備投資の増加率は、1980年代には10%を超えていましたが、今では、米中貿易紛争や韓日の対立などにより、設備投資を見送る動きが目立っています。
韓国としては、とにかく、技術力強化に全力を傾ける必要があります。2017年の時点で、韓国の研究開発への投資額は78兆ウォンで、GDP=国内総生産に対する比率は、4.6%に上っています。これは、OECD=経済協力開発機構の加盟国平均の2.4%に比べると、2倍に上るものです。しかし、ビジネス化につながらない研究が多いことや、1〜2年以内に成果が出るような短期的な研究が多いこと、また、量的成果を重視する考え方が強いことなどは問題です。
研究開発への投資は、学術的な目的も重要ですが、それに加えて、産業や市場において実質的な付加価値を生み出せるものとして進められる必要があると専門家は指摘しています。また、成功する確率が低くても、大きなイノベーションをもたらす可能性があることに、失敗をおそれずチャレンジできる雰囲気をつくり、失敗した場合でも再起できるようなシステムを整備することが課題となっています。
2024-03-21
2024-03-14
2024-03-15