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経済

国際原油価格暴落の背景や経済への影響

#今週の経済の焦点 l 2020-04-27

ⓒ YONHAP News

原油価格の下落が止まりません。ニューヨークの原油市場で20日、先物価格が史上初めてマイナスになりました。原油先物市場の歴史上、価格がマイナスになったのは初めてです。

これは世界経済がいかに冷え込んでいるかを端的に物語っています。世界の人口77億4000万人のうちおよそ40億人が今自宅にこもっています。世界の航空機の95%が運航を停止しています。工場の稼動が止まり、消費者の需要も落ち込んでいます。需要がないので在庫はあふれ、原油の貯蔵スペースが上限に達し、生産を止められない売り手が代金を支払って買い手に原油を引き取ってもらうという、過去に例を見ないような状況に陥っています。

シェール革命の流れに乗って、銀行からお金を借りてシェールオイルの生産を増やしたアメリカのシェール企業は、現在の原油価格の水準が続けば、倒産してしまうおそれがあり、企業倒産が増加すれば、次に恐ろしいのは金融危機です。

韓国経済にも赤信号がともっています。原油価格は、韓国の輸出に大きな影響を与えます。原油を輸入し、精製して輸出する韓国の精油業者は、原油価格の下落により、石油製品を生産して売れば売るほど、赤字が膨らむ状況に陥っています。造船産業も、主な顧客である産油国からの船舶発注が減り、流動性危機が生じるおそれが指摘されています。

韓国経済をはじめ、世界経済はいま八方塞がりの状況に追いやられていますが、原油価格がすぐに持ち直す可能性は低いとみられています。新型コロナウイルスの世界的な広がりにより、原油の需要が落ち込んでいる状況に変化はなく、産油国の供給は依然過剰となっています。国際原油価格がさらに落ち込む可能性もあります。

韓国政府は22日、精油業界に対する減税措置などを発表しました。これを手始めにあらゆる緊急対策を打ち出し、原油価格の暴落による影響を最小限にとどめることが課題となっています。

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