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経済

韓国の潜在成長率が下落した背景や求められる対策

#今週の経済の焦点 l 2021-09-20

ⓒ Getty Images Bank

韓国経済の実力を示す潜在成長率が2.0%まで落ちたことが、韓国銀行の報告書でわかりました。これは、2019~2020年の2.2%から0.2ポイント下がったものです。潜在成長率は、設備や労働力などを最大限に活用した場合の成長率の推計で、経済の中長期的な実力を示します。

潜在成長率の低迷の背景には、新型コロナウイルス感染症の大流行があります。新型コロナの流行を機に自動化、無人化、非接触といった変化が一気に進み、労働力に変化をもたらし、若者の失業率の上昇につながっていて、潜在成長率を押し下げる要因となっているのです。

コロナ禍から抜け出しても、その先の韓国の潜在成長率の見通しは明るくありません。国家経済の根幹をなす生産年齢人口が減少するいわゆる「人口絶壁」が本格化しているからです。生産年齢人口は、国内の生産活動に就いている中核の労働力となる15歳から64歳 までの人口を指しますが、統計庁によりますと、韓国の生産年齢人口は、2025年には3415万人となり、去年より164万人も減る見通しです。韓国金融研究院は、このままだと、韓国の潜在成長率は2025年には1.57%、2030年には0%台に落ち込むという見方を示しています。

新型コロナへの対応を強化するなかで政府の役割が大きくなったのも、潜在成長率の低下につながっているとみられています。民間部門より効率性が低い公共部門の肥大化は、経済全般の生産性低下をもたらすとされています。

先進主要国のなかで比較的高い経済成長を達成している国をみると、技術革新によって生産性を高めている場合がほとんどで、韓国経済も技術革新により一層積極的に取り組むことが課題となっています。 

新型コロナの影響を最小限に抑えると同時に、経済構造の変化に効果的に対応していくための政府のきめ細かな政策と企業の努力が求められています。

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