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経済

アイトラッキング=視線計測技術を開発するIT企業「ビジュアルキャンプ」

#韓国技あり企業 l 2021-12-06

ⓒ VisualCamp

きょうご紹介した企業は、ソウル市瑞草(ソチョ)区にあるIT企業、「ビジュアルキャンプ」です。2014年11月に設立され、ユーザーの視線の動きを計測し分析するアイトラッキング=視線計測技術を開発しています。アイトラッキングは、ヒトの眼球運動を解析し、取得したデータを分析して、よく見られていた場所や、見る順序、全く見られていなかった場所などを明らかにします。人の視線を可視化できることから、先進的な技術としてとして、医療、車両開発、人間工学をはじめとするさまざまな分野で利用されています。

「ビジュアルキャンプ」の製品は主に教育分野向けのものが多く販売されています。オンライン授業で受講者の学習態度のモニタリングをするのに使われています。また、授業動画を見るときに、集中してみているのか、どの区間で集中力が下がるのか、ほかの受講者に比べて集中度が高いのか低いのか、といったことを分析し、レポートするツールを販売していて、市場の手ごたえを感じているといいます。

これまでのアイトラッキングは「アイトラッカー」と呼ばれる専門の機械を利用して、人間の視線の場所や動きを計測していました。これに対し、「ビジュアルキャンプ」のアイトラッキング技術は、専門の機械が必要なく、モバイルでも計測が可能です。 

「ビジュアルキャンプ」は、2019年に国務総理賞を2回受賞しました。ことし6月には、バルセロナで開催された世界最大のモバイル関連見本市「モバイルワールドコングレス(MWC)」で「グローバルモバイルアワード」を受賞し、11月にはシンガポール企業庁が主催するアジア最大規模のスタートアップコンテスト「SLINGSHOT」のデジタル技術部門でトップ3に入りました。

「ビジュアルキャンプ」は現在、認知機能検査にアイトラッキング技術を取り入れ、認知症の早期発見につなげるための技術研究を行っていて、そのためーのデータを収集しています。海外進出にも積極的で、このほど関連技術のアメリカでの特許登録が決まり、シリコンバレーを拠点にビジネス拡大に乗り出す考えです。

ヒトの無意識の動きを可視化するアイトラッキング技術は多くの産業でさまざまに応用でき、それがもたらす新たな世界はどんなものになるのか、楽しみに見守りたいと思います。

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