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文化

全光鏞(チョン・グァンヨン)の短編小説「カピタン・リー」

2018-08-14

ⓒ Getty Images Bank


イ・イングク博士の病院には2つの特徵があった。

病院内が埃一つなく清潔であること、

そして治療費が他の病院の2倍ほども高いことである。

 

そのため、彼の顧客は、日本による植民地支配時代には主に日本人で、

現在は権力層あるいは財閥の範囲に入っていなければならなかった。

 

이인국 박사의 병원은 두 가지의 전통적인 특징을 가지고 있다.

병원 안이 먼지 하나도 없이 정결하다는 것과

치료비가 여느 병원의 갑절이나 비싸다는 점이다.


그러기에 그의 고객은 왜정시대는 주로 일본인이었고

현재는 권력층이 아니면 재벌의 셈속에 드는 축들이어야만 했다.



作家、全光鏞(チョン・グァンヨン)の短編小説「カピタン・リー」の主人公は外科医、イ・イングクです。

韓国戦争当時、北進を続けていた国連軍が中國軍の攻撃で南へ後退した時、多くの北韓の住民も南に下ってきました。

この時、聴診器が入ったカバン一つを手に、韓国にやって来たイ・イングクは、内科、小児科、産婦人科などの個人病院を集めて総合病院を作り、今やその病院の院長となった人物です。


「カピタン」は英語のキャプテンに当たるロシア語です。

作家、全光鏞(チョン・グァンヨン)は立身出世に目がくらんだ主人公、

イ・イングクを「カピタン・リー」と称して皮肉り、

同時にイ・イングクに似た韓国社会の指導者層を風刺しているのです。



#インタビュー : 文芸評論家 チョン・ソヨンさん   

イ・イングクを名前ではなくカピタン・リーと呼ぶ小説のタイトルには、韓国人としてのアイデンティティを捨て、時代の変化に合わせて、日本、ロシア、アメリカ側について生きていく主人公を風刺する意味が込められています。悲劇的な韓国の近代史の中には、国のために命を懸けて戦った人もいれば、現実と妥協し、私利私欲に走る人もいたのです。



「ふん、カマキリのような日本人の中でも生き残り、

雑草のようなロシア人の間でも生き返った。

アメリカ人だって同じだ。

革命が起きても、国が変わっても、

まだこのイ・イングクが生きながらえる方法はある。

私よりのさばっていた奴もいたのだ。

私はまだましだ。」


‘흥, 그 사마귀 같은 일본놈들 틈에서도 살았고,

 닥싸귀 같은 로스케 속에서도 살아났는데,

 양키라고 다를까....

 혁명이 일겠으면 일고,

 나라가 바뀌겠으면 바뀌고,

 아직 이 이인국이 살 구멍은 막히지 않았다.

 나보다 얼마든지 날뛰던 놈들도 있는데,

 나 쯤이야....’




作家 : 全光鏞(チョン・グァンヨン) (1919.3.1.함경남도 북청 ~1988.6.21.)

1955年 朝鮮日報の新春文芸を通じてデビュー

1962年 文芸誌「思想界」を通じて小説「カピタン・リー」を発表、

第7回東仁(トンイン)文学賞を受賞

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