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文化

崔一男(チェ・イルナム)の短編小説「ソウルの人々」

2019-01-15


1970年代の韓国を背景にした小説「ソウルの人々」は

故郷の農村を離れ、辛い都会生活を経て

いつの間にかソウルの人として生きていく4人の小市民の短い旅行記です。



適当に手足を洗って休んでいた時、夕食が運ばれてきた。

キムチにウゴジ汁、

切干し大根の和え物だけの食事だったが、

私たちは出されたマッコリといっしょにあたふたと食べ始めた。

「これだよ、これ。これが10数年前に食べていた味だよ。

このみそ汁だけでもここまで来た甲斐があるんじゃないかい?

夕食を食べ終わってからも私たちはなかなか寝付けないまま、

子どもの頃の話に花を咲かせた。


우리들이 대충 손발을 씻고

호롱불 밑에서 이러저리 퍼져 있을 때 저녁상이 들어왔다.

과연 밥상은 김치와 우거지국,

그리고 무말랭이 버무린 것 뿐이었는데,

우리는 반주로 들어온 막걸리와 함께 허겁지겁 쳐 넣었다.

“바로 이거야. 우리가 십여 년 전에 먹었던 맛이 바로 이거야.

 이 토장국 하나만으로도 여기까지 온 보람이 있지 않니?“

상을 물린 다음에도 우리는 쉬 잠을 이루지 못하고

어렸을 적 고향에서 지내던 이야기로 밤이 깊어가는 줄 몰랐다.



朝食に次いで、その日の昼食も夕食も

同じような素朴な献立でした。

しかし、言葉とは裏腹に、前日の夕食や朝食の時のような

うれしそうな表情は見られませんでした。

一行は予定よりも早くソウルへ帰ることにしました。



#インタビュー:ソウル大学国語国文学科教授 パン・ミノさん

ソウルという都市のメカニズムに慣れ、自分もその一部となった登場人物たちにとって田舎の情趣(おもむき)は窮屈で退屈なものになってしまいました。すっかりソウルの人になってしまった、と話す登場人物の姿を通して、作者は私たちがのびのびと生きることができる唯一の空間である故郷、伝統を失い、本来の姿を失ってしまった現代の人々の考えや暮らしを嘆いているのです。



「俺たちもすっかりソウルの人になってしまったようだな。」

ビアホールを出た私たちは

子どもたちへのお土産に買った菓子袋を手に、それぞれの家に向かった。

互いにまた会おうと手を振っていた時、

私は心の中で「僕たちこそ田舎者だ、

どうしようもない田舎者だ」と繰り返した。

同時に私たちの背骨の先に

78センチほどに育った俗物の尻尾が

ぶら下がっているのを意識していた。


“우린 이제 별 수 없이 서울 사람 다 됐는갑다” 

술집을 나오자 우리는 

아이들에게 줄 요량으로 각기 과자 봉지 하나씩 사들고 뿔뿔이 헤어졌다.

서로 잘 가라고, 또 만나자고 손을 흔들 때

나는 이놈들아, 우리들이야말로 촌놈이라고,

형편없는 촌놈이라고 

속으로 몇 번씩이나 되뇌었다.

동시에 우리들의 등골 뼈 밑으로는 

칠팔 센티미터쯤 자란 속물이 꼬리가 

대롱대롱 매달려 있는 걸 의식하고 있었다.




作家 : 崔一男(チェ・イルナム)(1932.12.29 全羅北道全州生まれ)

デビュー:1953年 文芸誌「文芸」が推薦した小説「よもぎ物語」を通じて文壇にデビュー

受賞:1975年 月灘文学賞受賞など

代表作:「ソウルの人々」「流れる太鼓」など 

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