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文化

「約束が」ほか

#国楽の世界へ l 2019-01-16

国楽の世界へ


李滉(イファン)先生は朝鮮時代最高の儒学者の一人です。そんな方にも、ロマンスがありました。48歳のとき、タンヤンという地域の君主に赴任したときのことです。当時、先生は妻と息子が亡くなり、心を痛めていました。政治的にも大変なときだったそうです。タンヤンにはドゥヒャンという名前の芸者キーセンがいました。当時18歳だったドゥヒャンは、先生に思いを寄せていました。先生も一緒に散歩をするほど心を開いたそうです。しかし、しばらくして先生は他の地方に赴任することになりました。ドゥヒャンは別れの贈り物で、梅の木をプレゼントしました。二人はその後、二度と会うことはできませんでした。でも、先生は梅に関する詩を数多く残しました。ドゥヒャンも先生が去った後、先生とよく歩いたところに小屋を作り、一生先生を恋しく思ったそうです。今日の最初は、女唱歌曲、「約束が、언약이」という曲をキム・ヨンギさんの歌でお楽しみください。


韓国の千ウォンの紙幣には、李滉先生の顔が描かれています。その後ろには、先生が弟子たちを教えていたトサンという書院があります。そしてそのとなりに梅の花が咲いているのが見えます。先生は、梅の花をとても大事にしました。亡くなるときの遺言でも、梅の花に水をやりなさいと言ったほどです。先生の梅の詩のひとつに、コムンゴが登場するものがあります。昔の学者ソンビは、コムンゴの演奏ができなくても、コムンゴをいつも近くにおいておきました。心で演奏できれば、実際に音を出さなくても良いということだったようです。先生の遺言や詩を指して、ドゥヒャンのことを考えてのものだと解釈することもあります。コムンゴの弦が切れて演奏ができなくても、心の中ではそのリズムが流れていて、会えなくてもいつも考えているということだったでしょうか。先生が直接記録を残したわけではないので、私たちはただ想像することしかできません。しかし、二人の物語りは歳月が流れるほど、より美しく刻まれる気がします。それでは、「梅の花の歌、매화가」という曲を、ホン・ヒョンスさんの歌でお楽しみください。


梅の花が咲くには少し早い時期ですが、陰暦の12月に花を咲かせる梅があるそうです。梅は、時になるとどんなに寒くても花を咲かせます。常に正しい道を歩もうとしたソンビにとって、時になると花を咲かせる梅は生きた教えであったと思います。この時期になると、韓国の南の地方では、ツバキの花も咲き出します。梅がソンビに親しまれる花だったとしたら、ツバキは一般の民に親しまれる花でした。今日の最後は、ツバキの歌です。「南道(ナンド)の民謡、ツバキのタリョン、남도민요 동백타령」という曲を、キム・スヒョンさんとみなさんの歌でお楽しみください。この曲は、ツバキの花を摘み取りに行こう、という歌詞で始まります。ツバキをとってきてはツバキ油で火をともし、娘の嫁入り道具を作ろう、住みよいうちの故郷、と歌う内容がとてもおもしろいです。

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