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文化

李惠敬(イ・ヘギョン)の短編小説「北村(プクチョン)」

2019-01-22


「女は草むらに忍び込む小鳥のように路地に飛び込んできた。

彼が家の外にごみ袋を出し、振り返った時だった。」


2009年に発表された作家、李惠敬(イ・ヘギョン)の短編小説「北村(プクチョン)」は

「女」、そして「彼」と呼ばれる二人の主人公が出会う場面で始まります。



女は庭の方に目をやった。

母屋の門と片方ずつ散らばっているスリッパが置かれた花崗岩の踏み石、

そして路地の方の垣根まで。

ひょいひょいと飛び越すような視線だった。

「この家は...ドラマに出てくるような家ですね。」


女の頬のうぶ毛が日差しを受け、ひらひら、金色に輝いた。

その金色のうぶ毛に手を伸ばした瞬間、

時間が止まり、彼と女がそのまま化石になってしまう、

そんな映像が彼の頭をよぎった。


여자는 고개를 마당으로 돌렸다.

안채의 분합문과 짝짝이 제멋대로 나뒹구는 슬리퍼 한 벌이 올려진 화강암 댓돌을 거쳐

골목 쪽으로 난 담장까지.

겅중겅중 건너뛰는 시선이었다.

“이 집은..... 꼭 드라마에 나오는 집 같네요.“


여자의 볼에 돋은 솜털이 햇살 받아 하르르, 금빛으로 빛났다.

그 금빛 털에 손을 뻗치는 순간,

시간이 정지되고 그와 여자가 그대로 화석이 되어버리는,

그런 영상이 그의 눈앞을 스쳤다.



#インタビュー:文芸評論家 チョン・ソヨンさん

作者は北村(プクチョン)について細かく描寫しています。北村(プクチョン)は高層ビルが 立ち並ぶソウルの都心で、唯一、朝鮮時代の面影を残す空間で、その路地を入ると過去の世界に迷い込んだような気分になります。作家、李惠敬(イ・ヘギョン)は過去と現在が入り交じった街、北村に主人公を飛び込ませることで、過去と現在の緊密な関係、つまり過去の経験が現在の彼らを形作っていることを表しているのです。



週末になると、北村(プクチョン)の路地は見物客でにぎやいだ。

ビルの森、ソウルの片隅にある韓屋(ハノク)の街、

人々は韓屋の塀や瓦葺き屋根の線に魅せられ

カメラのシャッターを切りながら路地を歩き回った。

門の脇に作っておいた手のひらほどの花畑すら目新しく感じられるのか

あらま、と感嘆する声が垣根を越えて聞こえてくることもあった。


一緒に居間に寝転び、うとうと昼寝をしていて

垣根の外から聞こえてくる声に目を覚まし、女の扇骨のようなまつ毛を見ていると

世の中がスッと遠のいていくようだった。


주말이면 북촌 골목은 동네를 구경하는 사람들로 붐볐다.

빌딩 숲인 서울 한구석의 한옥마을,

사람들은 한옥 담벼락이며 기와 지붕의 선에 홀려

카메라 셔터를 누르며 골목을 누볐다.

문간에 가꿔놓은 손바닥만한 꽃밭조차 새롭게 느껴지는지,

어머머, 감탄하는 소리가 담장을 넘어 들어오기도 했다.


함께 거실에 누워 설핏설핏 낮잠을 자다가 

담장 밖, 지나는 목소리에 깨어나 여자의 부챗살 같은 속눈썹을 볼 때면

세상이 멀찌감치 물러나는 듯했다.




作家:李惠敬(イ・ヘギョン)(1960.~忠清南道保寧市生まれ)

1982年 中編小説「私たちの離層」を通じて文壇にデビュー

1995年 長編小説「道の上の家」で第19回「今日の作家賞」受賞など

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