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文化

「ピョンガンセの歌」ほか

#国楽の世界へ l 2019-01-23

国楽の世界へ


韓国の古典の中で映画として作られた作品の数が最も多いのは、春香(チュニャン)のラブストーリー、「春香の歌」です。ところが、意外にも、「春香の歌」に劣らずたくさんの映画が制作された作品に、「ピョンガンセ」のストーリーがあります。ピョンガンセというと、強い男性を象徴する言葉と理解している方が多いようです。ピョンガンセはもともと、パンソリ、「ピョンガンセタリョン」という作品の主人公です。朝鮮時代の末、シン・ゼヒョ先生という方は、以前から伝わっていたパンソリの12の作品を6つにまとめました。その際、「春香歌(チュニャンガ)」、「興夫歌(フンボガ)」、「赤壁歌(チョッピョッカ)」、「水宮歌(スグンガ)」、「沈淸歌(シムチョンガ)」などと共に残った作品です。当時、歌の王様と呼ばれた、ソン・フンロク先生がよく歌ったといわれます。性的な表現などがあるにもかかわらず、人気があったものと推測できます。でも、シン・ゼヒョ先生の努力にもかかわらず、近代まで伝わるには無理があったようです。今ではリズムはなくなり、歌詞だけが伝わっています。創作パンソリに関心を持っていたパク・ドンジン先生は、リズムを付けてレコードを出しました。今日の最初は、パク・ドンジン先生の歌で、「パンソリ、ピョンガンセの歌の中から、ピョンガンセとオンニョが出会う場面、판소리 변강쇠가 중 변강쇠와 옹녀 만나는데」という曲をお楽しみください。


パンソリに登場するピョンガンセは、仕事はせず悪いことばかりする、世の中に全く役に立たない者として描かれます。結局故郷でも追い出され、あっちこっちを彷徨った末に、オンニョと出会いました。一方、オンニョは、結婚をすると相手の男性がみんな死んでしまうという不運の女性でした。オンニョも故郷から追い出され彷徨っていたところ、二人は、チリサンという山の中に入って暮らすことにしました。山の中で暮らすことはとても大変だったと思います。しかし、ピョンガンセは何もしようとしません。オンニョは、たきぎをとってくるようにいいました。仕方なく出かけたピョンガンセは、木でできたチャンスンという村の守り神を抜いて火をたいたそうです。「ピョンガンセタリョン」は、パンソリだけでなく雑歌でも伝わっています。今度は、パク・サンオクさんの歌で、「ピョンガンセタリョン」という曲をお楽しみください。


ピョンガンセは結局、チャンスンの呪いを受けて死んでしまいます。ここまでがストーリーの前半です。後半では、一人でピョンガンセの葬式をすることに困っているオンニョのところに、男性らが近寄ってくるんです。ところが、彼らはみんな即死し、その死体を処理する過程で起こるエピソードが出てきます。でたらめで騒がしいお話ですが、社会の最下層の人々の暮らしが生々しく描かれています。この物語りは、ピョンガンセよりもオンニョのお話が多く、「オンニョのタリョン」と名づけるべきではないかとも思われます。これまではピョンガンセの強いイメージに隠されていたオンニョに注目し、作品を新しく解釈する作業も行われているんです。今日の最後は、イ・ナレさんの歌で、「オンニョを語る、옹녀를 말하다」という曲をお楽しみください。不幸なことに、オンニョと結婚する男性はみんな死んでしまいます。しかし、オンニョは悪い人ではありません。不運のオンニョが世の中と向き合って生きるストーリーからは、人生の峠を乗り越える姿を見つけることができます。

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