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文化

「ソンファ姫」ほか

#国楽の世界へ l 2019-04-17

国楽の世界へ


韓国の伝統芸能パンソリは、太鼓の伴奏に合わせて、歌い手は一人で歌を歌います。また、パンソリをもとに、一人一役で劇のように作り変えたものを唱劇(チャンクック)といいます。1900年代初めにできた唱劇は、最初は立派な舞台もありませんでした。歌い手が演技をするわけでもなく、ただ担当を決めて歌うくらいのものです。それが次第に劇の形を整えていきます。日本の植民地支配が終わる頃には、女性から成る劇という意味の女性国劇(ヨソン・グック)というジャンルができました。劇団は普通全国を回って公演をしますが、特に女性には大変なことでした。男性の歌い手が多い中、あらゆる面倒な仕事は女性が担当したものです。それで、キム・ソヒ、パク・キヒ、イム・チュンエン先生のような歌い手が集まって、女性の国楽同好会を結成しました。そして、初めて公演をしたものの、反応はあまり良くありませんでした。しかし、翌年に披露した「太陽と月、햇님과 달님」という公演がヒットしたことをきっかけに、その後1960年代初めまで全盛期を向かえます。当時は、入場料の収益を大きな袋に入れて踏み潰したほどだそうです。男性役の歌い手は、女性ファンが追いかけてくるので大変だったとのことです。今日の最初の曲は、「女性国劇、ソンファ姫の中から、ソドンとソンファ姫がはじめて出会う場面、여성국극 선화공주 중 서동과 선화공주가 처음 만나는 대목」という曲を、チョ・ヨンスクさんとハン・ヘソンさんの歌でお楽しみください。


女性国劇は、従来のパンソリ以外にも、昔から伝わる物語りをテーマにした新しい作品を数多く披露しました。そのため、新しい歌や演奏曲を作らなければなりませんでした。音楽に合わせて楽器を改良するなど、韓国の伝統音楽の発展のためにも大きく貢献したものです。しかし、テレビや映画の影響で、その人気も衰えてしまいました。今では彼らを記憶する人はほとんどいなくなっています。今度は、ファン・ビョンギ先生のカヤグムの演奏をお楽しみいただきます。「森の中から、カッコウ、雨、月の明かり、숲 중에서 뻐꾸기, 비, 달빛」という曲をお楽しみください。


当時、韓国の音楽は、先生の演奏や歌を聴いて学ぶ方式で受け継がれてきました。ある程度のレベルになると自分でリズムを付けて演奏することはあったものの、作曲という概念はあまりありませんでした。そんな中、ファン・ビョンギ先生は、韓国の音楽において大きな役割りをした方です。先生は伝統音楽の趣きを守りながらも新しいリズムと演奏で、カヤグムの新しい世界を開拓しました。創作音楽の演奏の中でカヤグムが占める割合が高いのも、ファン・ビョンギ先生の影響だと思います。今日の最後は、ソウル市国楽管弦楽団の「満殿春(マンジョンチュン)」という曲をお楽しみください。

モダンな創作音楽が人気を博し、1965年にはソウル市立ではじめての国楽管弦楽団ができました。当時は国楽の指揮や楽器の配置などで試行錯誤もあったとのことです。今日の最後の曲は、楽団の50周年を記念するレコードに収録された曲からお楽しみいただきました。

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