メニューへ 本文へ
Go Top

文化

「厄払いのタリョン、エクメギタリョン」ほか

#国楽の世界へ l 2020-01-22

国楽の世界へ


いつからが新年なのかは、それぞれの国の歴史と文化によって違います。普段は陽暦のカレンダーを使いますが、名節の場合は固有の文化を受け継ぐ民族が多くいます。1月25日は韓国の旧正月、ソルナルです。韓国は金曜日から来週の月曜日までがソルナルの連休です。昔は、ソルナルの前日から満月になる15日後まで、名節の雰囲気が続いたそうです。ソルナルの前日には親戚や周りの方を訪ね、感謝の挨拶をしました。そのとき、ソルナルの日に履く新しい足袋などをプレゼントすることもありました。また、経済的に厳しくソルナルの準備が大変な方がいたら、助けることもありました。そして、ソルナルの日の朝には、先祖に挨拶をする祭祀を捧げます。一年間、健康であることを願い新年の挨拶をし、幸せを祈る言葉を交わしたものです。名節はそのように、お互いに感謝し、助け合うことに意味があるのでしょう。今日の最初は、国楽のグループ、イサンの、「厄払いのタリョン、エクメギタリョン」という曲をお楽しみください。


厄払いという意味の「エグメギ」の「エグ」は悪い機運という意味です。似たような意味で、「サル」という言葉があります。「エグ」は時間の流れによるもので、「サル」は空間の中に残っているものだそうです。なので、「エグ」は防ぎとめるもので、「サル」は解きほぐすものだといいます。2月の「エグ」は3月と4月で防ぎとめ、3月と4月の「エグ」は5月の端午で防ぎとめる、という言葉があります。人生の中で、時には悪いことも起こるものです。でも、仮に2月に悪いことが起こっても、3月には全て忘れるほど軽く考えるようにという意味でしょう。どんなに悪いことでも、歳月が流れると癒されるという意味だったようです。昔は、目が不自由な方が占いやお経を読むことをよくしました。肉体労働ができない方への、一種の社会福祉のような概念です。新年になると、目が不自由な方に、お経を読んでもらいました。今度は、そのようにお経を読む音を真似た曲です。オ・ボクニョさんの歌で、「盲人徳談経、メンインドクダムキョン」という曲をお楽しみください。


以前は、ソルナルやチュソクなどの名節になると、村ごとに「プンムル」を楽しみました。家々を訪ねて、家中を周りながら歌うものです。色んな種類の打楽器に、テピョンソという楽器を加えて、村によっては仮面をかぶって変装をすることもありました。あまりにもうるさいのでお化けが出て行ってしまうのではないかと思うほどです。このとき歌うのが、先ほどの「エグメギタリョン」や、今度お聞きになる祝福を祈る歌「ビナリ」という曲です。普通の広場で歌うと歌の種類が多くないためすぐに終わってしまったはずです。でも、色んな家を訪ねて厄払いをし祝福を祈ると、祝福を受ける側も良いですし、歌い手も同じ歌と拍子を繰り返しても毎回楽しかったはずです。今日の最後は、今年もみなさんの家庭に幸せがあることを願い、チェ・スヒョンさんの歌で「ビナリ」という曲をお聴きいただきまし。今年もみなさんの家庭に幸せがあることを願い、「ビナリ」という曲をお送りいたします。村を回って歌い手が祝福を祈ると、祈ってもらった家の人は穀物やお金を出してくれました。そのお金を集めて、村に橋を建てたりするときに使ったそうです。みんなが共に生きるための知恵だったのです。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >