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文化

金衍洙(キム・ヨンス)の短編小説「リギダ松の森へ行って」

2020-01-28

ⓒ Getty Images Bank

「おい!猪だ!そっちに下りて行くぞ!捕まえろ!」

雪崩れでも起きたように

積もっていた雪がどっと落ちてきた。

雪といっしょに丘の上に姿を現した猪は

しばらく辺りを見回した。

その時、子どもたちを先に逃げさせるため

警戒を緩めない猪と目が合った。


私は引き金を引きたい欲望を押さえながら、

ただ銃で狙いを定めていた。


猪は熱い鼻息を吐き、体を震わせると、

私を無視して子どもたちが消えた方へ走っていった。


“그, 그, 그쪽으로 멧돼지 내려간다. 잡아라!”

산사태라도 일어난 듯 

쌓인 눈이 아래쪽으로 쏟아져 내리기 시작했다.

눈을 뿌리며 둔덕 위로 나타난 멧돼지는 

잠시 주위를 두리번거렸다.

바로 그 때 둔덕을 따라 새끼들을 대피시키느라

경계의 눈초리를 늦추지 못하던 멧돼지와 내 눈이 마주쳤다.


나는 방아쇠를 당기고 싶은 욕망을 억누르면서

그저 총으로 겨낭하기만 했다.


멧돼지는 뜨거운 콧바람을 내쉬면서 몸을 부르르 떨더니

나를 본숭만숭하고는 새끼들이 사라진 쪽으로 달려갔다.



猪を追う犬がまた吠え始めました。

本格的な狩りが始まったのです。



猪に威圧された犬たちはけたたましくただ吠えるだけで、

叔父と猪はじっと動かないまま互いをにらみ付けていた。

叔父は猪に目を据えたまま、ゆっくりと安全装置を外した。

関節が折れた猪の子がのそのそと母親の方に這っていく。


「下りて来るぞ!撃て!」

トラックおじさんが叫んだ。

猪が叔父に向かって突進した。


叔父は狙いを定め、

猪の進む方向に沿って銃身を下ろした。

しかし、最後まで引き金を引くことはできなかった。


멧돼지에 압도당한 개들만 요란하게 짖어댈 뿐,

삼촌과 멧돼지는 옴쭉달싹하지 않고 서로 쏘아볼 뿐이었다.

삼촌은 멧돼지에게 시선을 고정시킨 채 천천히 안전장치를 풀었다.

관절이 부러진 새끼가 엉금엉금 어미쪽으로 기어갔다.


“내려온다, 쏴라 쏴” 

도라꾸 아저씨가 소리쳤다,

어미 멧돼지가 삼촌을 향해 달려들었다.


삼촌은 총을 겨눴다.

삼촌은 멧돼지의 진행 방향을 따라 총신을 내렸다.

삼촌은, 그러나 끝내 방아쇠를 당기지 못했다.



#インタビュー:文芸評論家 チョン・ソヨンさん

叔父はある女性と恋に落ち、彼女のために命を捨てようとまでします。ところが、その時の経験から悟ったのは愛の力の偉大さではなく、しぶとい生命力でした。そして、叔父には傷ついた子を守るため、銃の前でも動じなかった猪の目と、最後の瞬間、生きていたいとすがりついた恋人の瞳が重なって見えた、というのです。引き金を引くことができなかったのはそのためでした。 




作家:金衍洙(キム・ヨンス)(1970.  ~ 、慶尚南道金泉市生まれ)

受賞:2003年  第34回東仁文学賞

2009年  第33回李箱文学賞大賞など  

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