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文化

表明姫(ピョ・ミョンヒ)の短編小説「ショッピング、お好きですか?」

2020-06-02

ⓒ Getty Images Bank

夜遅い時間、車が閑散とした道路を猛スピードで走り抜けていく。

ジヨンはスーパーに向かっていた。

夜の外出が切羽詰まったことになるのを予見していたかのように、

ジヨンがこの街に引っ越してきてから

スーパーの営業時間は少しずつ延びていった。


巨大な溶鉱炉のように何もかも消費するこの都市は、

需要さえあれば1日を25時間に延ばして供給するのも厭わないだろう。


늦은 밤, 한산한 도로 위로 차들이 거침없이 내달리고 있다.

지영은 마트로 가는 중이다.

밤 외출이 절실해지는 때가 올것이라는 사실을 예견한 듯,

지영이 이사 온 후 마트 영업시간은 차츰 연장되었다.


이 대형 용광로 같은 소비도시는 

수요만 있다면 하루를 25시간으로 늘려 공급할 수도 있을 것이다



2011年に発表された作家、表明姫(ピョ・ミョンヒ)の

短編小説「ショッピング、お好きですか?」は、

30代半ばを過ぎた主人公のジヨンが深夜のスーパーへ向かう場面で始まります。

ジヨンが他人の買い物カゴを手にしてレジに並んだ最初の時は、

時間がなかったからでした。



#インタビュー:文芸評論家 チョン・ソヨンさん

最初はショッピングの時間を節約するために他人が選んでおいたものが入った買い物カゴを手にしレジに並んだジヨンが、その行動を楽しみ、繰り返すようになったのは、選んだ商品を通してカゴの主(ぬし)の人生を垣間見ることができたからでしょう。ショッピングの中身を見れば、それを買った人のライフスタイルが分かります。ジヨンはたまたま選んだ買い物カゴを通して自分とは違う人生、ライフスタイルを味わい、自分の物足りなさを満たしていたのです。



この一年がパノラマのようにジヨンの頭をよぎった。

買い物カゴを媒介にしたご近所さまの巡礼をしたような気分だ。


ジヨンは毎回違うカゴを選ぼうとした。

こうすることで定期的に献立が変わった。

その後、他人の買い物カゴでのショッピングは

ジヨンの日常に欠かせない楽しみとなった。

誰かの家に招待されたような気がした。

招待した人は新婚夫婦だったり一家団らんの四人家族だったり、

三世代が暮らす大家族だったりする。

寂しい独り暮らしのお年寄りだったこともある。


まるで見知らぬ土地への旅行のようだった。

そんな楽しみがなかったとしたら乾ききった退屈な日常だったことだろう。


지난 1년의 일들이 지영의 뇌리에서

파노라마처럼 스쳤다.

장바구니를 매개로 한 이웃 순례였다고나 할까.


거의 매번 지영은 다른 바구니를 택했다.

그로써 식단은 주기적으로 바뀌었다.

그것은 한동안 지영의 일상에서 빼놓을 수 없는 낙이었다.

누군가의 식사에 초대받은 것 같았다.

초대한 사람은 신혼부부이거나 단란한 4인 가족 가정이거나

삼대가 한 집에 사는 대가족 가정이기도 했다.

때로는 쓸쓸한 독거노인의 집일 때도 있었다.


낯선 곳으로의 여행이었다.

그마저 없었다면 메마르고 지루한 일상이었을 것이다.




作家:表明姫(ピョ・ミョンヒ)(1965. ~ 、大邱市生まれ)

デビュー:2001年 短編小説「夜景」

受賞  :2001年 第4回「創作と批評」新人小説賞など

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