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文化

李青海(イ・チョンへ)の短編小説「ホエン・アイム・シックスティーフォー」

2020-06-09

ⓒ Getty Images Bank

薄く、透明な袋の中をのぞいてみると、

ハンカチや紙切れ、化粧品のサンプルなどが入っていた。

私は結び目をほどいた。

祖母が結んだものだ。

袋の中身を引っくり返してみた。

ハンカチは2枚で、かすかに祖母の匂いがした。

汗臭いというわけではなく、

あれこれ入り交じった老人の臭いとでも言おうか。


얇고 투명한 봉투 안에는 얼핏보니 

손수건과 쪽지들과 화장품 샘플 같은 게 들어있었다.

나는 비닐 봉투의 매듭을 풀었다.

할머니가 묶은 것이었다.

내용물들을 쏟았다.

순수건은 두 장이었는데 희미한 어떤 냄새가 났다.

할머니 냄새였다.

땀내는 아니고, 이것저것이 뒤섞인 노인 냄새라고나 할까.



イェウンはスーツケースポケットに入っているビニール袋を見つけます。

それは祖母のものでした。

祖母のビニール袋からは叔父の住所やいとこたちの結婚記念日、

祖父の命日などを書き込んだ紙切れが入っていました。

「安らかな死を迎えるための祈り」と書かれた紙がイェウンの目を引きました。



「あなたの最期の息を崇め、

私の最期の息をあなたが受け止めてくださるようお祈りします。

この世を去る時、私の知恵を自由に使えるか、

今は存じませんが、

これからの私の臨終の苦しみとあらゆる煩いをあなたにお預けします。」


母から聞いた話では今の祖母は自分の知恵を使うどころか、

他人の知恵に頼っても一人で生きていくのは無理な状態だった。

しかし、元気だった頃、祖母はこんなにも美しい最期を準備していたということに

私はショックを受けた。

生まれて初めて私の最期について考え、心が重くなった。


<나 당신의 마지막 숨을 흠승하오며

나의 마지막 숨을 당신께서 받으시기를 간구하나이다.

내가 세상을 떠날 때 내 지혜를 자유로이 사용할는지

지금 알지 못하오니,

이제부터 나의 임종의 고통과 모든 괴로움을 당신께 봉헌하나이다. >

 

‘내가 듣기로 지금 할머니는 지혜를 사용하기는커녕 남의 지혜로도 생존이 어려운 상태였다.

 별로 많이 배우지 못한 할머니도 정신이 있었을 때는

 이토록 아리땁게 당신의 최후를 준비했구나, 하는 생각이

 충격 비슷하게 다가왔다.

 생전 처음 나의 최후가 떠올라 마음이 무거웠다’



#インタビュー:ソウル大学国語国文学科 パン・ミノ教授

作者は小説を通じて韓国社会の老人問題について触れています。主人公のイェウンは祖母に育てられたにもかかわらず、祖母の現況についてまったく知りません。それだけ関心を持っていないという意味です。この作品はすでに高齢化社会に突入した韓国で、家族や社会から疎外されてゆく高齢者の生活、老人介護問題について振り返るきっかけを与えるものとなっています。




作家:李青海(イ・チョンへ)(1948.6.30.~ 、光州市生まれ)

デビュー:1991年 文学思想に短編小説「下午」を発表

受賞  :1990年 KBS放送文学賞など

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