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文化

「チュチョンサ」ほか

#国楽の世界へ l 2020-06-24

国楽の世界へ


明日は陰暦の5月5日、端午です。今年は、閏月で、旧暦の端午が大分遅くなりました。昔は、お正月のソルナル、チュソク、ハンシクと並んで、4代名節と言われました。最近は韓国では端午を記憶する人が多くないため、残念に思います。端午を代表するお祭りには、「カンルン端午祭」や、端午の頃に開かれる「ナムウォン春香(チュニャン)祭り」があります。「ナムウォン春香祭り」がこの時期に開かれるのは、パンソリ「春香の歌」で春香とイ・モンリョンが端午の日に初めて出会ったからです。今年は、新型コロナウィルスの影響で、「ナムウォン春香祭り」は秋に延期になりました。春の香りが漂うある日、楼閣に出かけたイ・モンリョンは、遠くでブランコに乗っている春香を見かけます。春香は、どこか遠くに旅立ちたい気持ちでブランコに乗っていたようです。その気持ちを表したのが、詩人ソ・ジョンジュさんの、「チュチョンサ」という詩です。この詩を、ファン・ビョンギさんが歌にした音楽があります。今日の最初は、ファン・ビョンギさん作曲の「チュチョンサ」という曲を、カン・グォンスンさんの歌と、イ・ジヨンさんのカヤグムの演奏でお楽しみください。


パンソリ「春香の歌」は、小説や映画、ドラマとしても制作されました。伝統声楽曲にも、「春香の歌」をテーマにした曲が多くあります。京畿(キョンギ)の雑歌、「小春香歌(ソチュニャンガ)」という曲は、春香とイ・モンリョンの出会いの場面を描いた歌です。パンソリでは、イ・モンリョンの使いがイ・モンリョンに春香の家を教えてくれます。ところが、「小春香歌」では、春香が直接自分の家がどこなのかを教えてくれるんです。歌詞には難しい言葉が登場しますが、これは詩人、王維の漢詩の一部です。キュウリが育ちヤナギの木があるところが自分の家であると、漢詩を引用しています。日が沈む前に訪ねてきてくださいと言い、去っていきました。その後ろ姿を見つめながら、日が沈むのを待ち遠しく思うイ・モンリョンの気持ちまでも表しています。それでは、今度は、チェ・ウンホさんの歌で、京畿の雑歌、「小春香歌」という曲をお楽しみください。


京畿の雑歌は、歌い手が座ったままチャングという太鼓を叩きながら歌います。パンソリと比べると、多少面白くないと感じるかもしれません。歌い手の声の変化を楽しむジャンルといえます。今度は、このストーリーの一番最後の場面のお話、獄中にいる春香と、ホームレスのような姿で現れたイ・モンリョンのお話の場面です。パンソリでは、ホームレスの姿で戻ってきたイ・モンリョンを、春香は喜んで迎えます。でも、プロジェクトロックの音楽では、春香が少し違う姿で登場するんです。イ・モンリョンが成功して戻ってくると思ったのに、これからどうすればよいのか心配しているんです。今日の最後は、プロジェクトロックの、「イ・モンリョン」という曲をお楽しみください。春香は獄中にいながらも、イ・モンリョンが成功して戻ってくることだけを待ち望んでいました。でも、ホームレスの姿で戻ってきたので、自分が死んだ後自分の母親はどうなってしまうのかと心配だという内容の歌詞です。パンソリの春香と比べると、その姿を残念に思う方もいらっしゃるかもしれません。

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