メニューへ 本文へ
Go Top

文化

「モシムニダ」ほか

#国楽の世界へ l 2020-07-01

国楽の世界へ


言葉が違うと歌も違います。そのため、民謡は地域ごとに特徴があります。韓国の民謡は、大きく京畿(キョンギ)の民謡、南道(ナンド)の民謡、東部(ドンブ)の民謡、済州(チェジュ)の民謡、西道(ソド)の民謡に分けられます。京畿の民謡は、ソウルと京畿道(キョンギド)地域で歌われたものです。南道の民謡は、全羅道(チョンラド)地域、東部の民謡は、慶尚道(キョンサンド)地域と江原道(カンウォンド)地域、また、北韓の咸鏡道(ハムキョンド)地域まで含みます。西道の民謡は、北韓の平安道(ピョンアンド)と黄海道(ファンヘド)地域の歌です。南北の分断で、私たちには慣れない地域です。でも、西道の民謡を継承する歌い手がいるため、歌では親しみがあります。今日は、西道地域の歌をご紹介いたします。まず最初の曲は、楽団クァンチルの、お迎えします、という意味の「モシムニダ」という曲です。このグループは、黄海道の音楽をテーマにして、興味深い音楽を披露しています。この曲は、黄海道地方の祭祀で、神をむかえる音楽を新しく構成したものです。若者の元気な機運が感じられます。それでは、楽団クァンチルの、「モシムニダ」という曲をお楽しみください。


今度は、キム・キョンボクさんの、黄海道の「プングソリ」という曲です。彼は、1915年、黄海道ヘジュというところで生まれました。子供の頃から歌が好きで、お祭りがあると追いかけて行ったそうです。学校を卒業してからは、両親に相談もせず平壌(ピョンヤン)に行って歌を習い始めました。笛などの演奏にも優れ、祭祀グッが開かれると、思う存分楽しんだそうです。韓国戦争のとき韓国に来てから、故郷に戻れなくなりました。今日ご紹介する、「プングソリ」に出るプングとは唐箕のことで、風を起こす道具です。穀物の脱穀をする際に殻をとばすとき使います。また、鍛冶屋で火を起こすとき使うものもあります。でも、今日の「プングソリ」という曲にでてくるプングは、浮気をするという意味で使われているんです。韓国語で、風と浮気が同じ発音だからでしょう。プングがそんなに良いのか、自分のことを放っておいて、プングをかけに行くという内容の歌詞です。声を震わせて音を出しているのが特徴です。それでは、キム・キョンボクさんと皆さんの歌で、「黄海道のプングソリ」という曲をお楽しみください。


今度は、「ベベンイグッ」という曲です。パンソリのように、一人の歌い手が長いストーリーを歌う形式です。パンソリは南道の歌を歌いますが、「ベベンイグッ」は西道の歌なので、西道のパンソリともいいます。一人娘のベベンイが亡くなると、親は娘の魂にでも会いたい気持ちで、全国の名の知れた巫女ムーダンを集め祭祀を行いました。ところが、偽物のムーダンに騙されてしまうというお話です。でも、時には偽物が本物より優れることもあるようです。本物のムーダンならそのようにはできなかったはずですが、偽物のムーダンは本物のベベンイの魂が来たかのように大げさに演技をしたのです。演技をしながら親の手を握り、恨みを晴らしてくれるというお話です。今日の最後は、「ベベンイグッのうち、全国のムーダンが祭祀を行う場面、배뱅이굿 중 팔도무당 굿하는 대목」という曲をお楽しみください。イ・ウングァンさんをはじめ多くの名人が登場し、歌に登場するムーダンの役割を分担して、まるで演劇のように歌っています。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >