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文化

「珍島(チンド)シッキムグッ」ほか

#国楽の世界へ l 2020-11-25

国楽の世界へ

「珍島(チンド)シッキムグッ」ほか

以前は、何か見ものがあるとき、祭祀を行うとか、祭祀を見に行くという表現をしました。実際、グッという祭祀を行うときは、楽師の演奏と、巫女ムーダンの歌と踊りがありました。テレビなどもなかった昔は、楽しむものといえば名節に農村の音楽を楽しむくらいです。それに比べて祭祀はとても面白い見ものだったのです。ムーダンの歌と踊り、楽師の演奏は、民族の音楽に大きく影響したといわれます。今日は、国の無形文化財やユネスコ人類無形文化遺産に登録された祭祀の音楽をご紹介いたします。まずは、「珍島(チンド)シッキムグッのうち、チェソクをむかえるグッ」という曲です。「シッキムグッ」とは、人が亡くなったとき、亡くなった方の魂の恨みと不正をきれいに洗い流し、あの世に行けるよう祈願するものです。この儀式を行うときは、まず家を守る神に祭祀を行う理由を説明し、残された家族の平安を祈願することから始めます。今日の「チェソクを向かえるグッ」は、人々の寿命や運命、子孫などを管掌するチェソクという神を祭るものです。それでは、「珍島シッキムグッのうち、チェソクをむかえるグッ、진도씻김굿 중 제석굿맞이」という曲を、珍島シッキムグッの芸能保有者、キム・デレさん他みなさんの歌でお楽しみください。


今度は、済州(チェジュ)島の「チルモリダングッ」という祭祀のうち、「天地王のボンプリ」という曲です。「チルモリダングッ」は、2009年にユネスコ人類無形遺産に登録されました。済州島は村ごとに守り神を祭る場所があります。「チルモリダン」とは、そのような建物のひとつの名前です。毎年陰暦の2月に、ヨンドゥンシンという風の神を迎えて、また送り出す祭祀のことを、「チルモリダングッ」といいます。海岸の漁師や海女にとって、風は吹かなくても心配ですし、吹きすぎても心配です。そのため、毎年風の神を迎えて祭り、また見送ることで、適切な風が吹いて人々が平安であることを祈願するのです。祭祀の中の「ボンプリ」というものは、神がどんな家柄で生まれてどんなことを経て神になったのかを歌うものです。今日の「天地王のボンプリ」は、はじめて宇宙ができた過程からはじまります。天地王が人間の世の中に降りてきて結婚をし、双子の兄弟が生まれ、息子らがそれぞれこの世とあの世を治める神になったというお話です。今度は、「済州チルモリダン、ヨンドゥングッのうち、天地王のボンプリ、제주 칠머리당 영등굿 중 천지왕 본풀이」という曲を、キム・ユンスさんの歌でお楽しみください。


今度は、「東海岸ビョルシングッ」という祭祀です。この祭祀は、江原道(カンウォンド)から釜山(プサン)に至るまで、テペク山脈の東側の海岸の村で、2~3年に一度行っていたものです。村のお祭りのようなもので、多様な遊びもあります。ムーダンの踊りや歌を伴奏するとき主に打楽器を使うので、リズムが速いのが特徴です。今日は、その中でも、「パンソリ、シムチョンの歌」を、この地域特有の抑揚の歌で表現する「シムチョングッ」という曲です。キム・ヨンスクさんの歌で、「東海岸ビョルシングッのうち、シムチョングッ、동해안 별신굿 중 심청굿」という曲をお楽しみください。父の目を治すために船乗りに売られたシムチョンの魂を慰める内容です。また、一方では、村の人々が目を傷めることがないように祈願するという意味も込められています。

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