全員日本人の5人組ガールズグループ「UNICODE」
2024-04-17
昔々、
ある村にとても仲の良い兄弟が暮らしていました。
「弟のお前が先だ」
「いや、兄ちゃんが先」
兄弟は子どもの頃から
豆一つでも分けて食べるほどの仲よしでした。
時が流れ、兄弟は大人になりました。
両親が亡くなると、兄弟は両親の畑を仲よく半分に分けて、
耕すことにしました。
秋が深まり、刈入れの季節になりました。
無事にその年の収穫を終えた兄弟は背負子に稲束を積んで
互いの田んぼの稲束に足しておきました。
「いったいどうしたと言うんだ?今日も稲束がそのままだなんて。」
「変だな...確かに弟の田んぼにたくさん置いてきたはずなんだがな...」
わけが分かりませんでしたが、
兄弟は次の日も、またその次の日も
同じことを繰り返しました。
満月の夜でした。
その夜も兄弟は背負子に稲束を積んで、
兄は弟の田んぼに、弟はお兄さんの田んぼに向かいました。
うつ向き加減で歩いていた二人はどんとぶつかってしまいました。
「おや?兄さん。こんな時間にどうしたんです?」
「お前こそ、夜中に何をしているんだい?」
ようやく自分の田んぼの稲が減らない理由に気づいた兄弟は
いつまでも幸せに暮らした、とさ。
「でも、これはお前が先だ。」
「いや、兄さんが先です。」
2024-04-17
2024-04-17
2024-04-03